商業施設の設計・企画・施工・運営などに携わる専門家のことを「商業施設士」と呼びます。幅広い年齢層が目指せる民間資格なので、デザイン事務所などで勤務を考えている人は資格取得を検討するのもありでしょう。このページでは商業施設士とは何か、仕事内容、試験概要などを分かりやすく解説します。
商業施設を企画する際のイメージや空間構成の企画・装飾・ディスプレイの設計に携わるのが商業施設士。地域の文化や歴史などの魅力に合わせた街づくりを担当するといった役割も果たしています。
この資格は国家資格ではなく、公益社団法人商業施設技術団体連合会が運営・管理を行っている民間資格です。
商業施設士の主な仕事内容は、商業施設の企画や設計などに携わる業務全般です。空間プロデュースも含め、デザイン力や企画力など幅広いスキルが求められています。
多様化する生活ニーズ合わせた商業施設が求められている今、商業施設士は幅広い世代やライフスタイルにマッチする商業施設を企画・設計・監理する経験を積む必要があります。誰もが暮らしやすい街づくりをする、公共性の高い仕事ともいえるでしょう。
商業施設士の資格を取得するためには、学科試験と実技試験に合格しなければなりません。
商業施設士の資格試験は年に2回実施されています。
基本的には上記のような日程で試験が行われています。
学科試験は共通問題と選択問題で構成されており、マークシート方式です。学科試験は共通・選択ともに60分です。
試験内容は共通問題と選択問題に分かれています。共通問題は30問あり、選択問題は「生活と商業」「企画と計画」「施設と設計」「管理と施行」の4つから2つを選び、15問ずつのトータル30問です。
構想表現(実技)試験は設計製図方式または論文方式の選択性であり、構造表現(実技)試験の課題は試験日の1か月ほど前に発表されます。試験時間は180分です。
試験内容は「平面図」「イメージパース」「コンセプトを解答する方法」から出題され、文章表現は「論文」「事業計画」「店舗ゾーニング」などがあります。
商業施設士の受験資格は、学科試験だけであれば20歳以上なら誰でも受験可能です。学科と構想表現(実技)試験の両方を受験する場合は、20歳以上かつ実務経験5年以上または大学・専門学校などの商業施設関連課程を卒業したあと1年以上の実務経験があるか、普通課程を卒業した方であれば2年以上の実務経験がある方となっています。
実務経験が一切ない方なら、まずは大学や専門学校に通うのがおすすめです。また1級建築士やインテリアプランナーなどの関連資格を保有している方であれば、実務経験は関係ありません。
※商業施設士試験概要参照元:公益社団法人商業施設技術団体連合会(資格試験について)
2020年度の商業施設士の合格者数は学科試験で40名、構想表現(実技)試験で194名となっており、平均合格率は70.7%。難易度はそれほど高くはないので、しっかり学習すれば合格できる試験です。
参照元:資格試験情報サイト(資格の難易度-商業施設士)
たとえば建築関係の企画といった業種に勤める場合は600万円ほどが平均年収と言われています。一般的にショッピングモールその他大型建築に携わることが多いため、大手企業に就職する方が多い傾向です。
参照元:資格広場(商業施設士資格取得の難易度は?試験情報・年収・給料・報酬相場を分析)
上記のような会社で勤務することが多い資格です。さらに経験や知識などを深めることで、空間デザイナーや店舗プロデューサーなどとして独立・開業するケースもあります。
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