防火対象物点検資格者とは建物の火災予防が適切に行われているかを確認するための資格で、専門知識を持って防火対象物が安全に運用されているかどうか確認します。消防法令や火災予防などに関する専門知識を持った資格者と言えます。
防火管理業務が不徹底だと大きな災害を起こしかねません。防火対象物点検資格者の仕事は、防火対象物の点検を行うことです。1年に1度一定の防火対象物の用途の実態や消防計画に基づいた防火管理の実施状況の火災予防にかかわる事項も含めて総合的に点検。その結果と「資格者が点検を行ったこと」を消防庁や消防署長に報告します。
また、火災予防に関する専門的知識や技能を有する人材の養成、管理者や防火管理者などに適切な助言を行うことも仕事の一部です。
防火対象物点検資格者の資格を取得するためには、防火対象物点検資格者講習を受ける必要があります。講習は計4日間にわたって実施。講習の最後に2時間の修了考査を受け、それに受かれば資格を取得できます。
ただし講習を受けるための受講資格が細かく設定されいて、受講資格を得ることができるのは以下のいずれかに該当している方のみです。
【1日目】
【2日目】
【3日目】
【4日目】
参照元:一般財団法人日本消防設備安全センター
(https://www.fesc.or.jp/jukou/boka/kousyu/tebiki1.html)
修了考査の内容は、以下のとおりです。
全36問中、各分野ごとに50%以上の正解、かつ全体の70%以上正解すれば合格です。
なお、修了考査はテキスト持込みが可能です。もし不合格になった場合は、修了考査を受けた日から1年以内に1回に限り修了考査を受け直すことができます。
防火対象物点検資格者の難易度自体は、講習と修了試験を受けるだけで取れるため合格率90%以上と高いです。しっかり講義を聞いて、内容を理解していれば合格できる可能性が高くなります。
参照元:資格の一覧 JQOS.jp
(https://jqos.jp/kokka/bokatsishobutsutenkenshikakusha)
防火対象物点検資格者の年収は、約400~500万円と言われています。消防設備の点検は必ず有資格者が行う義務があるため、一定の需要があるでしょう。なお、年収は所属する会社の規模や経験、業務内容などによって異なります。
防火対象物点検資格者は、消防設備会社・防災関係会社で働くことができます。また、ビルメンテナンス会社や電気設備会社などの求人もあるでしょう。消防設備点検資格者を取得すれば、消防設備の点検を通して人命を守ることが可能です。
防火対象物点検資格者は、土木・建設現場で働くうえで目指したい資格のひとつです。資格を取得することによって仕事の幅が広がり、更なるキャリアアップが目指せるでしょう。
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