土木施工管理技士になると、どれくらいの年収が期待できるのでしょうか?1級と2級それぞれの事情について見てみましょう。
まず2級土木施工管理技士ですが、求人情報などから推察すると、転職時の年収相場は300万円~500万円といったところです。2級は取得に必要な実務年数が少ないため、最初から高額年収を出してくれる企業は少ない模様。
資格手当がつく会社が多いものの額はそこまで大きくないため、入社後の年収アップとしては昇進を狙っていくのが王道パターン。2級を取得すると現場の責任者として活躍できるため、無資格より昇進のチャンスは多くなるでしょう。
一方、1級土木施工管理技士の年収相場は400万円~700万円ほどです。1級は取得に最大で15年と長い経験年数が必要となるため、即戦力として募集時の条件もいい傾向があるようです。資格なしで転職するより100万円~300万円程度は年収アップが期待できそうです。
2級と比べて大規模な公共事業の監理技術者にも就けるため、責任ある仕事をこなして昇進アップも狙いやすくなるでしょう。
土木施工管理の世界で年収アップを目指すなら、資格を取得しながら徐々に関われる仕事の幅を広げていくのがおすすめです。
例として未経験で業界に入り、年収アップを目指す方法を考えてみましょう。会社に入ったらまずは現場で経験を積みながら、まずは2級土木施工管理技士の取得を目指しましょう。小規模~中規模程度の土木工事現場の責任者として経験を積むことができるうえ、上位資格の1級取得に必要な実務経験が短縮されますので、結果的に近道となるメリットもあります。
2級取得後は、さらに現場経験を積みながら1級を目指し、余裕があれば他の資格も狙っていきましょう。コンクリート技士や地質調査技士など、土木現場で役立つ資格はたくさんあります。上司や先輩などにも相談しながら、自分の業務とキャリアアップに役立ちそうな資格を探すのがおすすめです。
ただし、資格を取得したらすぐに給料に反映されるとは限らない点は注意してください。資格を取得すると関われる仕事の種類が増えるため活躍の場が広がり、多くの経験を積むことができます。資格取得によって得た経験を実務に活かすことができて初めて、昇進や昇給につながります。
資格はステップアップのための足掛かりと考え、取得を目指しながら現場での経験を日々積んでいきましょう。
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実際の求人事例から、資格を活かした転職で年収アップを狙える求人を見ていきましょう。
1級土木施工管理技士の 年収例 |
宮城県:現場監督支援・積算・資料作成 年収:500~700万円 引用元:マイナビエージェント https://mynavi.agentsearch.jp/jobDetail/?jobId=31588948 |
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地元密着企業として官公庁の公共事業をメインに行っている会社の求人です。大規模現場に関わるので施工管理、積算業務の経験が必須となっているかわりに、入社時から相場より高い年収となっています。
2級土木施工管理技士の 年収例 |
岩手県:品質・安全・工程・原価・施工全般の管理業務 年収:460~630万円 引用元:マイナビエージェント https://mynavi.agentsearch.jp/jobDetail/?jobId=31411368 |
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土木事業を立ち上げたばかりの会社で、まずは2級土木施工管理技士から募集しているようです。事業拡大も予定しているとのことなので、経験を積みながら1級を取得すればさらに年収アップも期待できそうです。
コンクリート技士の求人 | 東京都:土木工事現場の管理業務全般 年収:450~650万円 引用元:マイナビエージェント https://mynavi.agentsearch.jp/jobDetail/?jobId=31807461 |
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日本全国と海外にも拠点があり、転勤はあるもののさまざまなプロジェクトで経験を積むことができそうな求人です。
これらの求人を見ると、資格を活かした大規模な公共事業に関わることができる会社は年収相場も高いようです。海外拠点など会社規模が大きい場合も年収アップが期待できそう。年収アップを狙うなら、資格を取ってより良い職場環境を目指すのが一番の近道です。
土木施工管理技士で1,000万円以上の求人はどんなものがあるのでしょうか。 実際に求人サイトを確認して、年収1,000万円以上の求人を調べてみました。
1.社名非公開<海外勤務>土木施工管理技士
仕事内容 | 土木施工管理業務 |
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応募資格 | 1.2級土木施工管理技士または技術士 海外実務経験 施工管理経験 |
雇用形態 | 正社員 |
勤務地 | アフリカ、中央アジア、中近東、南太平洋諸島等 |
年収・給与 | 年収900万円~1150万円 |
休日休暇 | 完全週休2日制(土曜日・日曜日)、祝日 ※海外の現地事情による。 |
2.株式会社アイコニックジャパン<スーパーゼネコン>
仕事内容 | 土木現場の施工管理全般
積算・見積業務 施工計画を含む設計業務 他 |
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応募資格 | 一級土木施工管理技士 「土木現場の施工管理全般」または「積算・見積業務」、「施工計画を含む設計業務」の経験が4年以上 |
雇用形態 | 正社員 |
勤務地 | 北海道 / 宮城県 / 埼玉県 / 東京都 / 神奈川県 / 新潟県 / 愛知県 / 大阪府 / 京都府 / 兵庫県 / 広島県 / 香川県 / 福岡県 |
年収・給与 | 年収1000万円 ~ 1300万円 |
休日休暇 | 完全週休2日制、祝祭日、夏期休日、年末・年始休日、年次有給休暇(年間12日~20日)、積立保存休暇、結婚休暇、 忌服休暇、産前・産後休暇、リフレッシュ休暇、現場休暇 等 |
3.社名非公開<復興関連工事>原価管理経験者
仕事内容 | 気仙沼などの復興地において土木施工管理業務 |
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応募資格 | 1級土木施工管理技士 元請けの土木施工管理経験(1億円以上) 原価管理の経験 |
雇用形態 | 正社員 |
勤務地 | 宮城県 |
年収・給与 | 年収800万円~1100万円 |
休日休暇 | 完全週休2日制(土曜日・日曜日)、祝日 ※海外の現地事情による。 |
年収1000万円の求人となると、やはりある一定の求人傾向が見えてきました。 求人の特徴を3つ解説していきます。
年収1000万円以上の求人の中で最も多い割合だったのが、海外勤務やビジネス英語が使用できるTOIEC600点以上などの求人です。
海外展開ををこなっている海外支店の採用のようです。そのため、勤務地がアジアを中心にアフリカや南米の求人が多く見られました。
英語力が必要なこと、また、海外勤務というハードルが年収をあげているのでしょう。
スーパーゼネコンと言われるゼネコンのなかでもTOP5の会社は土木施工管理技士の平均年収ランキングにも良く現れますね。
実際に求人にも大手ゼネコン会社が見られました。
スーパーゼネコン会社5社鹿島建設、大林組、竹中工務店、大成建設、清水建設の平均年収は全て1000万円越えです。ただ、月平均残業時間が30時間など残業による手当も含まれていることも頭に入れておきましょう。
1億円以上の経験有無や、原価管理の経験有無など、資格は勿論のこと経験を必須にした応募条件の求人が良く見られます。
希少な人材となるため、年収もその分あがるのでしょう。工事長や管理職などの役職の経験も求められてくるようです。
年収を上げるには、業務に関連する資格取得が基本事項です。様々な経験を積み上げ、さらに上位資格の取得を行っていく必要があります。
また、業界のニーズ、所属会社のニーズや目標と自身の行動実績及び計画を常に検証し、自己研鑽に努める必要もあります。
この双方の取組みから自ずと所属会社や業界での自身の価値が上がり、年収アップをかなえる事が出来ると思います。
弊社のように、昇格基準を年功序列ではなく実績に比重を置いている会社選択も重要となってきます。
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