こちらでは、日本と海外において、建設業界がどのように違うか、アメリカなどと比較しながら解説しています。また、海外の建設需要や海外勤務によって得られるメリットについても紹介しています。
土木施工管理技士として、海外の現場で働く経験を通じてキャリアアップを目指したいと考えている方に向けて、役立つ情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
日本とアメリカとでは、働き方はかなり異なります。アメリカでは、日本よりも労働環境を改善するための取り組みが、より盛んです。労働組合も全国的に組織化されており、組合員数は、トータルでは100万人に達するといわれています。組合と会社との間に結ばれた労働協定が破られた場合には罰せられます。
また、アメリカにはゼネコンが少ないのも注目すべき特徴だといえます。ゼネコンが請け負った仕事を下請け会社にまわすというシステムは日本ほど一般的ではありません。
国土交通省による「インフラシステム輸出戦略」というものがあります。この戦略が打ち出されたのには、日本の建設需要が減少傾向にあるのに対し、海外の建設需要が高まりをみせていることが背景にあります。高度成長期に培った建設技術やノウハウなど、日本の強みを活用し、海外のインフラ需要を取り込むことで国内の経済に活力を与えることがねらいです。
海外勤務を経験することで、次のようなメリットを得られます。
英語に苦手意識をもっている人でも、実際に海外で暮らすようになり、英語の使用を回避できないような状況に置かれれば、自然と英語を話せるようになっていくものです。あるいは、英語圏以外のエリアの勤務であっても、現地の作業員と一緒に仕事をしていれば、徐々に現地の言葉を理解していくことができるはずです。
また、海外勤務を通じて身に付けた語学力は、帰国後もプラスにはたらくことも充分に考えられます。重要なポストがまわってきたり、あるいは、他の国への出張や勤務を任されたりするなどして、キャリアアップにつながっていく可能性もあるでしょう。また、そういったプロジェクトの任務を無事に遂行することができれば、そのときに得られる達成感は何にもかえられないほどの価値あるものとなるはずです。
長期間にわたる海外勤務の場合、知見を広げることにもつながります。日本とはまったく異なるような環境や文化の中で日々をくらしていけば、さまざまな刺激的な経験もできるはずです。また、現地の人達との交流のなかで、新たな知識や考え方を得て、豊かな人間性の形成へとつなげていくことも可能です。
いつかは海外勤務をしてみたいと考えているのであれば、海外事業を展開している企業へ就職するのがおすすめです。
たとえば、スーパーゼネコンといわれるような大手ゼネコンであれば、海外でも大規模なインフラ整備もおこなっている場合が多いので、チャンスが回ってくる可能性も高まります。また、大手ゼネコンでなくても、多くの海外事業を展開している建設会社はあるので、調べておくことをおすすめします。あるいは、ODAに参加している企業であれば、発展途上国でインフラ整備をおこなっていますので、海外勤務の希望が叶う場合もあるでしょう。
転職サイトには、東南アジアやアフリカなど、建設需要が高いエリアを中心に、海外を勤務地とする求人が掲載されています。募集されている職種は、施工管理職やコンサルタント職などが多く、年収も600万円~1,000万円程度と、比較的高水準です。土木施工管理技士の資格をもっていると、こういった転職サイトを活用した職探しでも有利に話を進めることができるでしょう。
土木施工管理技士として活躍したいと考えている場合、その勤務地を国内にするべきか、それとも海外勤務に挑戦すべきか、決めかねている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
けれども、どちらか一方のほうが優れている、という考え方で選択するのではなく「日本には日本の、そして海外には海外の働きがい・やりがいがある」という考え方をベースに検討してみることをおすすめします。キャリアアップを考えるのであれば、幅ひろい視点で建設業界の状況について調べてみることが大切です。
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