土木工事において短工期での施工を強いられるケースも多く、非常にキツイ思いをしている方も多いでしょう。このページでは建設業界の環境改善と発注者支援業務について紹介していきます。
工期が遅れてしまえば、予定していた工事がスムーズに進まなくなってしまい、資材搬入やスタッフの確保状況にも支障をきたしかねません。基本的に予定された工期に合わせて現場管理や資材搬入、職人・スタッフの手配などが行われているため、工期が遅れてしまえば、事前のスケジュールが全て台無しになってしまうでしょう。
とくに職人は工事スケジュールが何か月先も入っていることがあり、予定が遅れてしまえば職人を確保できずに、他の職人を探す必要も。最悪の場合は、数か月先まで延期になってしまうこともあるでしょう。つまり一つの工程の遅れが、全ての工程に影響を及ぼしてしまうのです。
工期の遅れを少しでも取り戻すために、現場監督は工期を短縮できるための対策を講じる必要があります。一般的には現場に携わる職人の数を増やす、複数の工事を同時進行で行うなどの方法があるでしょう。ただ工期短縮を行えば、職人の人数も増えてしまい、現場の環境が悪化するリスクも抱えてしまうので注意が必要です。たとえば駐車場の数が不足する、資材置き場の確保が難しくなるといった問題が出てきやすいでしょう。また現場環境が悪くなることで、工事の仕上がりに影響が出る、職人の勤務時間が長くなるといった悪循環も発生しやすくなります。
工期が遅れると、最悪の場合は完成予定日にも間に合わなくなることがあります。工事完成日などが明記された建築工事請負契約書を交わしたうえで、工事がスタートするのが一般的です。そのため完成予定日までに工事が終わらなければ、契約不履行になってしまい、違約金を支払わなければならない可能性もあります。さらに仮住まいの費用や引っ越し費用なども負担するケースも。
さらにオーナーにとっては引っ越しができない、開店に間に合わないなどの影響もきたしてしまうでしょう。そのためオーナーに余計な労力や費用、時間をかけてしまうリスクも高まります。
工期が遅れそうと判断すれば、その分新たに職人やスタッフを増員し、作業時間の増やすなどの対応を講じるでしょう。その結果、工期に間に合ったとしても余計な人件費が増え、駐車スペースの確保や資材搬入用の重機の確保など予定以上に予算よりオーバーしてしまいます。つまり工期に間に合ったとしても、工期短縮のために予算が超過するリスクも高まるでしょう。
工期が予定通りに進まなければ、現場監督は心身ともにストレスがかかってしまいます。工期の遅延を取り戻すために職人やスタッフに残業を強いることも多く、また現場で過ごす時間も増えるでしょう。翌日の作業の確認や手配などの仕事もあり、翌朝も朝早くから仕事という日も少なくありません。工期短縮を図るために長時間労働になってしまえば、体力的にも厳しい状況に陥ってしまいます。さらにオーナーに対してもフォローする必要もあり、体力だけでなく、精神的にもストレスがかかってくるでしょう。
2020年より法律において、建設現場の長時間労働や極端な短工期の規制が始まりました。この法律は公共工事だけでなく、民間工事も対象となっており、元受け・下請け間など全ての契約において違反対象です。著しく短工期で発注した者に対しては国や都道府県などの許可行政庁が勧告し、従わない者に対しては公表できると規定しています。工期が適切かどうかを判断できるように、建設会社に対して工程の細目を明らかにし、工程ごとの作業や、その準備にかかる日数などを見積もるように勧めています。もし短工期でツライと感じることが多いのなら、そもそも契約状況が不適切ではないか確認した方がいいでしょう。
土木施工管理技士には、発注者の立場で官公庁のパートナーとして勤務する「発注者支援業務」という仕事があります。もし劣悪な作業環境での業務に悩んでいるのであれば、すぐに退職するのではなく、土木施工管理技士としてより良い環境下での働き方を求めるのもアリでしょう。
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建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで22年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2024年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2024」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。