こちらでは、土木・建設現場で採用されることがある工法についていくつか紹介しています。土木施工管理技士の資格を取得して、ステップアップやキャリアアップにつなげていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
水中に橋や防波堤などの建造物をつくる場合に採用される工法です。水中でコンクリートの打設をおこなう必要があり、コンクリートが直接水に触れると、成分の分離が起こってしまいます。それをさけるためにトレミー管という管を使用します。
地盤の中に岩盤や粗石、巨石などをはじめとする地中障害物が含まれているときに採用される工法です。「ケーシングチューブ」という筒の形状をした機械で孔壁を保護しながら、工事を進めていくことができるので、壁の崩落などの事故が発生しにくいのが特徴です。
工事する場所のまわりを、溝状になるように掘削をして、地下構造物などから施工をスタートしていく施工手順をとる工法です。地下構造物のほか、掘削面積が広い現場、あるいは土層が良好ではない地山などの施工に採用されるケースが多いです。
道路の舗装工事をおこなう際のコーティング作業を、プライムコートといいます。実施することで多くのメリットを得られる作業ですが、第一の目的は防水です。また、プライムコートを散布する方法は主に2種類あるので、施工現場の条件などに適する方法を選択します。
計算によって座標・距離・角度・高さなどのデータを算出するための、基本的な測量技術のひとつです。基準点測量という名称もあります。事業計画を立てる際に欠かせないデータで、トラバース測量にはトータルステーションなどの光波測矩器を使用します。
比較的容易に舗装道路工事をすることができる方法です。あたらしく舗装面を重ねる作業のみで、路面を削る工程がないので、騒音や振動などをあまり出さずに工事を進められます。コストをおさえつつ、しかも短い施工期間で終わらせることができるなど、メリットの多い工法です。
スコットランド人技術者ジョン・ラウドン・マカダムの名前がこの舗装方法の由来です。砕石を敷き詰めて、その上からマカダム式ローラーで締固めしていく工法です。比較的難易度の低い工事で、しかも、施工期間やコストをおさえることもできるなど、メリットの多い工法です。
金属を突き合わせて溶接する工法です。ガウジング工法には、おもに「エアカーボンアークガウジング法」と「プラズマアークガウジング法」の2種類があります。後者は、大きな音がたたず、火花や粉じんも発生しにくいので、より頻繁に採用されるようになっている手法です。
やわらかい地盤を改良するために採用される工法です。水分がたくさん含まれていると地盤は軟弱になります。ですから、ここに砂の杭を打ち込み、粘土層内の水分を取り除くことで改良が可能になります。土地が頑丈になれば、その上で建築工事をしても、地盤沈下が起こりにくくなります。
はじめに構造物をつくり、そこからななめの方向に切梁を伸ばしながら、山留壁を支え、そのまま、周囲の掘削をおこなう工法です。山留工法のひとつです。また、比較的安全に工事を進められるので、さまざまな現場で採用される工法でもあります。
シールド工法はトンネル建設に利用される施工法の1つであり、シールドマシンと呼ばれる巨大な円筒状の建設機械を利用して、地中で地盤を掘り進みながら同時にトンネルの壁を組み立てていく工法です。掘削とトンネル構築をまとめて行えるため脆弱な地盤でもトンネル建設を行いやすく、周辺環境に影響を与えにくいといった特徴があります。
開削トンネル工法は比較的浅い地中へトンネルや地下空間を設けるための工法であり、地下鉄や地下街を作る際に利用されます。開削トンネル工法では最初に地面を掘り返した後で、トンネル構造体を設置して、さらに地面を埋め戻してトンネルを埋没させ、完成させるという流れです。開削トンネル工法のメリットや施工の流れをまとめました。
沈埋トンネル工法は海の底や川の底へトンネルを作るために用いられる工法であり、日本国内でも長い歴史を持っている工法です。沈埋トンネル工法では地上でトンネルの構造体を製造し、それを船で川や海へ運搬して沈めた上で、水中でトンネルを連結させてつなぎます。沈埋トンネル工法は現代でも国内外で利用されている施工法です。
トラッククレーンベント工法は橋梁の架設工事に用いられる工法です。移動式クレーンであるトラッククレーンなどを利用して現地までクレーンを自力運搬(自走)し、さらに橋梁の上部工をクレーンで持ち上げて支持部(ベント)へ載せ、ベント上で上部工を連結させて架設を組み立てます。その後にベントを撤去して工事完了です。
ケーブルエレクション工法は、山岳地などで橋梁架設を行う際に用いられる工法です。橋の両岸に鉄塔やアンカーを設置し間に通したケーブルやハンガーロープを使って、橋梁を吊り下げながら橋梁を架設します。
ケーブルエレクション工法には「斜吊り」と「直吊り」といった方法があります。
トラベラークレーンベント工法は、橋梁を架設するエリアにおいて橋桁の下の空間を利用できない場合に用いられる工法のひとつです。トラベラークレーンという特殊重機を活用して、頭上に架設した走行軌条の上をトラベラークレーンで進みながら架設します。
フローティングクレーン工法は海峡や河川といった水上に橋梁を架設するための工法です。フローティングクレーンは台船に設置されたクレーンであり、あらかじめ組み立てた橋体などを台船で運搬し、現地でフローティングクレーンで引き上げて架設する流れです。
事前の計算が必要ですが、安全かつ短工期で架設できるといったメリットもあります。
置換工法は軟弱地盤対策の一種であり、軟弱層の一部や全部を良質材によって置き換えて、軟弱地盤エリアにおける地盤強度の改善を目指す工法です。置換工法は物理的な方法によって軟弱層を除去し、改めて良質な地盤へ転換できる点がメリットですが、軟弱層のエリアが大きくなればコストが増大するといった課題があることも無視できません。
振動締固め工法は軟弱地盤対策の一つとして利用される工法であり、軟弱地盤の内部に振動器で振動を与えて地盤を直接締め固めるといった点が特徴です。振動締固め工法としてはさらに「バイブロフローテーション工法」と「ロッドコンパクション工法」という方法へ大別され、原地盤の条件によって採用すべき方法が異なります。
サンドコンパクションパイル工法(SCP工法)は軟弱地盤の中へ砂を打ち込み、砂杭を造成して地盤にかかる重量・圧力を分散させて地盤を安定化させる軟弱地盤対策です。サンドコンパクションパイル工法は地盤中へ動的エネルギーにより砂を打ち込む方法であり、静的エネルギーを活用した方法や海上から海底地盤へ砂を打設する方法も開発されています。
高圧噴射撹拌工法は地盤改良工法の1種であり、地盤改良材(グラウト材)を高圧で噴射して地盤を切削しながら、同時に混合撹拌を行って地盤を固めていく工法です。高圧噴射撹拌工法には単管ロッドを使う単管工法から、二重管ロッドを使う工法や三重管ロッドを使う工法などがあり、ロッドが増えるごとに噴射されるものも増えます。
TRD工法は巨大なチェーンソー型のカッターポストを地中へ挿入して、カッターポストを動かすことで地盤を掘削しながら同時に固化液などを流し込んで混合撹拌を行い、継ぎ目のない地中壁を造成していく工法です。
従来工法と比較して安定性や止水性に優れており、さらに深度方向にも高品質な地中壁を造成できるなど複数のメリットを追求できます。
ソイルクリート工法は地山の法面を安定させるための工法の1種であり、簡易的に組み立てられる枠を使うことで地山の形状に合わせて枠を設置し、そこにモルタルを吹き付けて法面の安定を実現します。ソイルクリート工法で用いられる枠には複数の種類があり、用途に応じて選択できる上、枠の運搬にコストがかかりにくい点も強みです。
フリーフレーム工法は自由に変形させられる金網型枠(フリーフレーム)を使って地山の法面を安定させる施工であり、地山の形状を問わずに法面を造成できることが特徴です。
フリーフレーム工法は枠の軽量さや自由度の高さがメリットの根拠になっており、様々な場所へ持ち込んで現地で作業できることから、様々な場面で利用されます。
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