岩盤斜面を階段状にしていくベンチカット工法。この記事では、ベンチカット工法の内容や特徴、そして、ベンチの長さなどを変更することで分けられる4つの工法「ロングベンチカット工法」「ショートベンチカット工法」「ミニベンチカット工法」「多段ベンチカット工法」の概要などについてそれぞれみていきましょう。
また、最後にベンチカット工法で使う穿孔機械をいくつか紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ブルドーザーなどを使って、岩盤の斜面が階段状になるように削っていく工法です。トンネル工事などの現場では、よく採用されてます。トンネルの掘削断面を上と下の半分ずつに分け、上半分から掘削をおこないます。
掘削方法やベンチの長さを変更することで、ベンチカット工法は、主に次のような4つの種類に分けられます。
ベンチの長さを変更すれば、軟岩地山から硬岩地山まで、掘削できる現場の種類が広がります。そういった利便性の高さから、ちかごろでは、より頻繁に採用されるようになりつつある工法です。
ベンチカット工法の注目すべき特徴として、経済的な工法であるというメリットがあげられます。トンネルなどの掘削対象を上と下のふたつに分けてから、削岩機を使って下がりながら掘削作業を進めていくわけですが、使用する機械が大型であることがポイントとなっています。大型機械であるがゆえ、掘削量が多い施工現場においては特に、非常に経済的な工法だといえるのです。
ベンチ長50m以上で掘削する工法のことを、ロングベンチカット工法といいます。地質が良質な現場に適した工法です。上部・下部半断面の切羽を離して併進します。上下を交互に掘削する場合と、同時に掘削する場合とがあります。
ベンチ長1D~50mほどで掘削する工法のことを、ショートベンチカット工法といいます。地山の変化に対応しやすいことがメリットとしてあげられます。そのため、この工法は一般の地山だけでなく、土砂地山や膨張性地山といったさまざまな場所の工事に採用されます。など幅広い場所で採用可能です。
ベンチ長1Dかそれ以内で掘削工法のことを、ミニベンチカット工法といいます。基本的に上・下半の掘削作業を同時に進めていく工法であるため、切羽が安定しているかどうかの確認が非常に重要です。
ベンチを3段以上の段数に分割する掘削方法のことを、多段ベンチカット工法といいます。地下発電所など、縦長の断面トンネル・上半の断面が大きいことが理由で、通常のベンチでは切羽の自立ができない場合に採用される工法です。断面を3つ以上の数に分割するので、周りの地盤がゆるんでいないかどうか、注意を払うことが大切です。
工事現場で岩石に孔をあけるときに使います。穿孔装置がクローラ式の台車前方部に設置されている自走機械です。動力源となる油圧パワーパックとコンプレッサーが搭載されています。
ダウンザホールハンマが搭載された大孔径穿孔機械のことを、ダウンザホールドリルといいます。ダウンザホールハンマであれば、クローラドリルを使う場合よりもさらに大きな発破孔をあけることが可能になります。大型の石灰石鉱山や砕石場などの工事現場で使用されることが多い穿孔機械です。
ロータリドリルが搭載された削岩機のことです。岩盤や岩石、コンクリートなどに孔をあけるときに使用されます。打撃と回転が別駆動方式になっているので、打撃と回転のどちらかを優先させるなど、そのつど調整することが可能です。アンカー作業などでも活躍している機械です。
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