こちらでは、アースドリル工法について紹介しています。メリットの多い工法です。おもな4つの特徴や施工手順、そして工事においておさえておくべき注意点などを、わかりやすく解説しています。
アースドリル工法は、ドリリングバケットの回転を使って掘削をおこない、トレミーでコンクリートを打ち込んで杭をつくる工法です。
おもな特徴としては、次のようなものがあげられます。多くのメリットを得られる工法であることがわかります。
施工をスピーディーに進められるので、工事完了までにかかる時間も短く済ませられます。他の打ち杭工法と比較すると、仮説が簡単で、かつ、アースドリル機の取り扱いが易しいことなどが、その理由となっています。
コンピューターを活用した管理装置を用いると、施工の管理をさらにシンプルなものにすることが可能です。こういった要素も、アースドリル工法の工期の短さにつながっています。工事の規模や工事内容によっては、工期が長くなる場合もありますが、他の工法と比較すると、やはり作業を進めやすいという特長自体は変わりません。
機械設備であるアースドリル機は、サイズが小さいので、敷地に充分な広さがなくても、問題なく打ち杭の工事をすることができます。
アースドリル機はあまり騒音や振動が大きくないので、周辺環境への悪影響が少ないことも、この工法の注目すべき特徴のひとつです。特に、多くの人が暮らしている市街地などで工事をおこなう場合は、騒音や振動は大きな問題となるので、それをクリアしやすいというのは、大きなメリットだといえるでしょう。
工事費用がそれほど多くかからないところも、注目ポイントです。仮設がシンプルで、かつ、使用する道具の数が少ないことが、費用をおさえられる理由です。とはいえ、どのような施工現場でも必ず費用をおさえられるかというと、そうは言い切れません。道具の費用は他の工法より安いですが、工事自体の費用は、広さや地質によって大きく変動する可能性があるからです。
表層ケーシングの建て込みを予定している深度まで、掘削をおこないます。施工現場の土質に合う安定液を注入しながら作業を進めましょう。表層部の孔壁にはケーシングを使用しますが、それよりあとは安定液を使って保護します。
根入れ掘削をおこないます。バケットに土砂がたまるので、一次孔底処理を実施します。鉄筋カゴを孔に建て込み、トレミーを挿入しましょう。そして、底部からコンクリートを打設するために、鉄管を接続します。
沈殿物がある場合は、二次孔底処理をします。トレミーでコンクリートを打ち込んでいきましょう。そして、表層ケーシングを引き抜いてから、空堀り部分の埋め戻し作業に移ります。ベントナイト液とコンクリートが混ざらないように、トレミーの管底部がコンクリートに埋まっている状態にしておくことが大切です。
アースドリル工法はメリットの多い工法ではありますが、工事をおこなう場合には、さまざまなリスクも想定されます。リスクをおさえて工事を進めるために、必要な管理を徹底させる必要があります。
異常な被圧地下水や伏流水のリスクをふまえておく必要があります。ちなみに、被圧地下水とは、加圧層の下で圧力がかけられている地下水のことを指します。加圧層は、その上下に存在する不透水層から、常時、大きな圧力がかけられています。
この圧力は大気圧より大きいと考えられているほど大きなものです。そのため、透水層まで掘削を進めて井戸をつくる際など、水が自噴してくることがあります。被圧地下水が地表面よりもかなり高い場所や伏流水がある場所などの施工においては、工事の計画を立てる段階から、かなりの慎重さが求められます。
安定液の管理が徹底されていないと、孔壁が崩れてしまうリスクがあります。この場合の「管理」とは、安定液に関する比重や粘性、砂分、pHなどを調節したり保持したりする作業のことを意味しています。調整の設定は、対象となる地質によって異なります。
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