フローティングクレーン工法は河口や海峡といったエリアで橋梁を架設するために用いられる工法の1つで、利用シーンは限定されます。土木施工管理技士として理解しておくべきフローティングクレーン工法についてまとめました。
フローティングクレーン工法はあらかじめ組み立てておいた橋梁を台船やフローティングクレーンを用いて移動させ、一括して橋体を架設する工法であり、河口や海峡といったエリアにおける橋梁架設の方法です。
海や川といった水面上で橋を架けたい場合に用いられる代表的な工法の1つであり、利用メリットがあるシーンは限定されるものの、水上工事や橋梁工事に関わる土木施工管理技士であれば必ず理解しておかなければなりません。
そもそもフローティングクレーンとは、台船の上に設置されたクレーンであり、フローティングクレーン工法は橋体を船で現地まで運搬した後に、フローティングクレーンを使って橋体を移動させて架設するという流れです。
そのためフローティングクレーン工法は、フローティングクレーンを搭載した台船が侵入できる環境でなければ適用できません。十分な水深があり、波や流れが比較的緩やかといった条件を検討することが必要です。
フローティングクレーン工法は水上で橋を架けられる工法であり、海峡や河川といったエリアで橋梁工事を行う場合に利用されます。橋体をあらかじめ組み立てて運搬し、フローティングクレーンで架設するため、「架設工期を短縮できる」「ほかの工法と比べて高所作業が少なく、作業員の安全を確保できる」といったメリットもあります。
工期や安全面にも優れているなど複数のメリットを備えていることがフローティングクレーン工法の特徴です。ただし、これらのメリットはあくまでもフローティングクレーンを導入して施工できる環境的な条件が前提です。
フローティングクレーン工法は、そもそもフローティングクレーンを設置して橋梁を運べる台船での運搬・現地侵入が前提となる工法であり、言い換えれば台船によって現地へ侵入することが困難な場合は採用できません。
そのため橋体や架設部材の重量・サイズに合わせて、台船やフローティングクレーンの強度や荷重条件を考慮し、さらに台船が安全に現地まで部材を運搬できるよう経路となる水路の水深や流れの速さ、潮の満ち引きといった諸条件を事前に細かくシミュレーションしておくことが必要です。また作業に当たって天候などの条件にも考慮しなければなりません。
フローティングクレーン工法によって橋梁の架設工事を行う流れとしては、一般的に以下のようなものです。
工事条件や現地の環境によっては台船へ部材を積み込まず、フローティングクレーンで直接運搬することもあります。
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