耐久性の向上を目的におこなわれる道路舗装法であるマカダム舗装。こちらではマカダム舗装の特徴を解説しています。2つの主な種類である「砂詰め」「水締め」のほか、施工の手順などについてもあわせてまとめました。
耐久性を高めるために砕石を敷き詰めていく道路舗装の方法のことを、マカダム舗装といいます。砕石を敷き詰めた後は、締固めをして耐久性をアップさせるために、マカダム式ローラーという機械で押し固めます。ちなみに、「マカダム」という舗装方法の名称は、これを考案したスコットランド人技術者のジョン・ラウドン・マカダムさんが由来となっています。
施工が簡単という大きな特徴があります。上述のとおり、工程は敷き詰めてた砕石をマカダム式ローラーなどで締固めるだけです。そのため、他の舗装方法や道路工事などと比較すると、難易度が低くかつ施工期間を短縮することができます。
コストを低くおさえられるのも、この工法の注目すべき特徴だといえます。上述のように、シンプルな施工方法であることから工事の所要時間が短くなるため、それほど多くのコストがかからないのです。
マカダム舗装を採用した道路についての注意点として、滑りやすさが挙げられます。滑りやすいというのはメリットではなくデメリットです。スリップ事故などを引き起こす原因のひとつとなってしまうため、交通量が多い通りなどには、不向きな舗装方法だといえます。
マカダム舗装の道路は、耐久力に優れています。一般的な砂利などとは異なり、表面に荒さがある砕石が使用されているからです。しかも、それがしっかりとマカダム式ローラーで固められるので、砕石同士ががっちりとかみ合っている状態です。外部からの衝撃にも強い、頑丈な道路に仕上げることができるのです。
気品のある雰囲気が感じられる外観のよさも、マカダム舗装の注目ポイントです。アスファルトの道路なども好きだという方も少なくないかもしれませんが、それはマカダム舗装のような「雰囲気のある美しさ」というよりはむしろ「さっぱりとしたシンプルさ」といったものに近いのではないでしょうか。
マカダム舗装のおもな施工方法には「砂詰め」「水締め」の2種類があります。それぞれの方法と特徴は次のとおりです。
砕石と砕石の間に砂を詰め込んで路盤を仕上げていく方法のことを、「砂詰め」と呼びます。ひとつひとつの砕石と砕石の間の隙間すべてが、しっかりと砂で埋まるので、密度がアップします。ですからより頑丈な道路になるわけです。また、凸凹を軽減してスムーズな表面に仕上げることが可能です。
ローラーの鉄輪に注水しながら水を撒いて圧力をかけていく方法です。砕石と砕石の間の隙間が埋めて、締固めていきます。ただ、この方法は手ならしが必要であるなど手間がかかるため、現在ではおこなわれる機会があまりない方法です。
マカダム舗装の施工手順は、次のように大きく2つにわけられます。
マカダム舗装に使用する砕石には、2種類のサイズがあります。その中で、まずは大きめの砕石を敷き詰めていきます。敷き終えたら、マカダム式ローラーなどを使って締め固め作業をおこないます。
その次に、今度はその上から小さめの砕石を敷き詰めていきます。敷き詰め作業が終わったら、先ほどと同様に、機械で締固めをおこなって耐久性を高めます。
ちなみに、大きい砕石は7.5センチほどのサイズです。小さいほうの砕石はおよそ2.5センチです。大きなサイズと小さなサイズの砕石による二重構造になっているので、マカダム舗装は、特有の美しい見た目に仕上げることができるのです。
本サイトの監修・取材協力企業
株式会社ティーネットジャパンとは
発注者支援業務において
日本を代表する企業
株式会社ティーネットジャパンは、公共事業の計画・発注をサポートする「発注者支援業務」において日本を代表する建設コンサルタントです。
建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで21年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2023年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2023」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。