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ニューマチックケーソン工法

このページでは、シールド工事坑や橋梁基礎、ダム基礎といった地下構造物の建築に用いられる「ニューマチックケーソン工法」について解説しています。土木施工管理技士として成長したい方はぜひスキルアップの参考にしてください。

ニューマチックケーソン工法とは

地下へ埋める「躯体:函(ケーソン)」として鉄筋コンクリート製の構造体を作り、さらに躯体の下部に作業室を設けながら、圧縮空気を送り込むことで地下水圧とのバランスを安定化させて地下水の浸入を防ぐ方法です。

ニューマチックケーソン工法を利用することで、地下深くでも常にドライ環境による工事作業を続けられるようになり、ダム建築や橋梁建築、地下構造物の建築など幅広い目的で活用されています。

ニューマチックケーソン工法の手順

ニューマチックケーソン工法は鉄筋コンクリート性の躯体の構築と、地下への掘削、そして躯体を地下へ沈下させながら圧縮空気を送り込んで浸水を防ぐという、いくつかの段階によって構成されています。

ニューマチックケーソン工法の原理

例えばお湯を張った浴槽に浸かりながら、空の洗面器を逆さにして水面へ上からかぶせ、そのまま洗面器を湯の中へ真下に沈めた時、洗面器の内側には空気が残され水が入らない状態が保たれるでしょう。

いわば、これがニューマチックケーソン工法の原理であり、圧縮空気の圧力と地下水圧を均等に保つことで、水が作業室へ入ってこない気密状態を確保することが可能となります。

ニューマチックケーソン工法のメリット

ニューマチックケーソン工法を利用すると、躯体の下部では常にドライな環境が保たれるため、作業員が安全に作業できるだけでなく、水濡れを避けなければならない電気設備や重機などを設置して必要な作業環境を確保することも容易となります。

また、作業する位置に合わせて躯体を沈めていけるため、地下への掘削作業などを行いたい場合に、いつでも作業を行うポイントに作業室を設置し続けられることがメリットです。

ニューマチックケーソン工法の歴史

ニューマチックケーソン工法は19世紀半ばのフランスで発明された工法であり、国内外で幅広く利用されています。日本国内でのニューマチックケーソン工法の活用は、関東大震災の復興事業の際に導入されました。それ以来各地のトンネル工事や橋梁工事、ダム工事などの現場で基礎工事に利用されています。

海外で採用された例

アメリカのニューヨークにあるブルックリン橋やフランス・パリのエッフェル塔など、世界各地の橋梁や大規模建築などに利用されていることが特徴です。

日本で採用された例

関東大震災の復興事業で施工された隅田川の永代橋や清洲橋、新潟市の信濃川にかかる万代橋などにニューマチックケーソン工法が利用されました。

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