このページでは、日本で開発されたダム工法である「RCD工法」について紹介しています。RCD工法の特徴や施工手順などをみていきましょう。
土木施工管理技士として現場監督の役割を担う際には、こういった工法に関する知識を身に付けておくことが求められます。資格を取ってステップアップしていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ダムの工法のひとつに、「Roller Compacted Dam-concrete Method」の頭文字を使って表記される「RCD工法」というものがあります。日本で開発された工法で、コンクリートダムの建設を合理的におこなうために用いられます。スランプ0mmの超硬練りコンクリートで敷き均したコンクリートを、振動ローラーを使って仕上げていくのが特徴です。
RCD工法は、1978年、山口県にある島地川ダムの建設工事で初めて導入された工法です。この島地川ダムの工事以降、RCD工法によっておこなわれる工事が増えていきました。その結果、近年では、中型あるいは大型規模のダム建設工事においては、この工法が一般的に用いられるようになっています。
汎用機械を使用する機械化施工であるRCD工法は、急速施工にも対応できるという大きな特徴があります。そのため、従来の工法よりも工期を短縮しやすいですし、また、省力化にもつながります。経済的に工事を進めることが可能になるわけです。
全面レヤ打設方式を前提としているので、上流・下流、・ダム軸方向いずれも死角がなくなります。そのため、作業員や重機の移動、建設資材の運搬などの際、従来の工法よりもリスクを抑えておこなうことが可能になります。さらに、継目の省力化により型枠移動の高所作業を減らすことにもつながります。
RCD用のコンクリートは、単位水量および単位セメント量をおさえた、いわゆる「超硬練リコンクリート」です。そのため、水和熱の低減効果も期待できます。
RCD工法を用いてダムの建設工事をおこなう場合の、基本的な手順および工程内容についてみていきいましょう。
コンクリートの配合をおこないます。RCD工法に適した超硬練りコンクリートになるよう、セメント・砂利・水の割合を慎重に配合することが大切です。 超硬練りコンクリートの大きな特徴として、耐久性と水密性が高いところがあげられます。
コンクリートの打設をおこなうまえに、モルタルを敷きならしていく作業が必要です。すでに打設されているところと、これから打設するところを接着するのが、モルタル敷きならしの目的です。
通常のコンクリート打設の工程です。超硬練りコンクリートだけを使って工事をすると、どうしても細かい部分の施行がしにくくなります。ですから、縁をはじめとする細かい部分には、通常のコンクリートを使って打設を済ませておくことが大切です。
次に、超硬練りコンクリート打設のプロセスに移ります。通常のコンクリートによって縁どられた部分へ、超硬練りコンクリートを流し込みます。この作業は、ブルドーザーを使っておこなわれます。
超硬練りコンクリートが層状に重なっていくように打設作業を続けます。この打設作業にもブルドーザーを使用します。ブルドーザー自体の重量だけでなく、運動エネルギーも併せて何度もち方を加えることで、超硬練りコンクリートをしっかりと締め固めていくことができるわけです。また、境界部分のコンクリートの締め固めについては、バックホウの先端に振動機を設置したバイパックを使用します。
締め固め作業は、コンクリートダムの水密性・耐久性・強度のすべてに大きく影響する、とても重要な工程です。
超硬練りコンクリートが固まらないうちに、振動目地切機を使って目地を一定個所に設けてから、亜鉛引鉄板を挟みましょう。目地を設けるのは、クラックが発生するのを防ぐためです。
仕上げに、振動ローラーを使って超硬練りコンクリートの締固めをおこないます。同じ場所で振動ローラーを何度も往復させます。
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