軟弱地盤を改善するための工法として知られているサンドドレーン工法。主な2つの工法についてまとめました。また、この工法のメリット・デメリットや施工手順などもあわせて紹介しています。
サンドドレーン工法は、軟弱な地盤を強くするためにおこなわれる工法で、日本では従来から頻繁に採用されてきています。軟弱な地盤というのは、わかりやすく言い換えると「水分が多くふくまれている地盤」ということになります。ですから、水分を取り除けば、地盤の改良につながるわけです。
この工法をひとことで表すと、「やわらかい地盤に砂の杭を打ち込んでいく工法」となります。排水する距離を縮めて、粘土層に含まれている多くの水分を、砂の杭と敷いた砂の層から排出されるように工事をします。
サンドドレーン工法は、大きく「サンドドレーン工法」と「部分被覆サンドドレーン工法」の2つに分けられます。現場の条件に適した工法を選ぶためにも、どちらの工法も把握しておきたいところです。それぞれの方法と特徴についてみていきましょう。
袋詰めサンドドレーン工法には、「パックドレーン工法」という別の名称もあります。ちなみに、工法の名称に含まれている「袋詰めサンド」とは、サンドつまり砂を、合成繊維でできた袋に詰め込んだもののことです。砂柱の施工中および施工後の連続性を保つために、その「袋詰めサンド」をドレーン材として使用します。
参照元:せこかんラボ(https://sekokan-job.com/basic/910/)
部分被覆サンドドレーン工法には、「CFドレーン工法」という別の名称もあります。この工法では、必要な箇所だけを網筒で被覆します。無駄のなさがひとつの特徴となっていることがわかります。
施工中の載荷および施工後の載荷に対して、圧密排水効果をキープし続けることが可能です。施工管理計を使用すれば、ケーシングパイプを打ち込む深さやパイプ内にある砂の動きなどを管理できるので、かなりやわらかい地盤であっても問題なく採用できる工法だといえます。
やわらかい地盤の圧密に遅れが少ないところが、メリットのひとつとして挙げられます。杭が太いため、土の中に比較的大きな砂の層を作れるので、全体的に水が抜けて圧密に遅れがあまり出なくなるわけです。また、太い杭を貫入するのが大変なイメージがあるかもしれませんが、大型の掘削機械を使用するので、その点も問題ありません。
地盤沈下や液状化対の対策にもなることも、大きなメリットといえるでしょう。やわらかい地盤の中に何本もの砂の柱が打ち込まれている構造になっており、かつ、まんべんなく設置されたサンドドレーンの柱が水分を吸収してくれるので、その土地で建築工事などをおこなっても、地盤沈下が発生するリスクをおさえることが可能です。
工事のコストをおさえられるところも、注目すべきメリットです。ほかの方法で工事をした場合と比較すると、圧倒的ともいえるほどコストを安く済ませることができます。
地盤を掘り返す作業をスキップできることが、その大きな理由になっています。そのままの地盤にケーシングパイプを打ち込み、そこに砂を入れていくだけ、というシンプルさももうひとつの理由だといえます。
広さが充分にない現場で作業する場合は、道路を通行止めにしなければならないことが、デメリットとして挙げられます。この工法で使用する機械のサイズが大きいことがその理由です。圧密沈下がおさまるまで一定の時間をおくことも必要になるので、すぐに通行止めを解除することもできません。
所定の箇所に機器をセットしたら、ケーシングパイプを打ち込んでいきます。地盤まで到達すれば、その作業は完了です。そして、ケーシングパイプのサイドパイプから規定量の砂を海水と一緒に投入していきます。砂面を確認できたら、ケーシングパイプを引き抜き、今の地盤の高さまで砂杭を制作します。
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