軟弱層が8メートル以上の施工現場で、採用されることが多い小口径鋼管杭工法。こちらでは、小口径鋼管杭工法をわかりやすく解説しています。将来土木施工管理技士として活躍したいと考えている方にとって役立つ情報をまとめました。小口径鋼管杭工法の工事内容のほか、特徴や施工手順、そしておさえておくべき注意点などについてみていきましょう。
軟弱層にわりと厚みがあり、一般的な混合処理などでは施工しにくい現場などに適した工法です。地盤内部の支持層まで小口径鋼管を打設し、建物荷重の支持杭として使います。また、この工法がもつ特質により、8メートルを超える軟弱地盤が続いている土地にも採用されることが多いです。
作業の工数の少なさや工期を短縮しやすいこと、周辺環境への負荷をおさえやすいこと、固形不良のリスクがないこと、排土が少ないことなど、小口径鋼管杭工法は、さまざまなメリットをもつ工法であることがわかります。
交通整理や養生などの準備ができたら、杭材を搬入します。杭材が荷崩れなどを起こさないように、枕木などを活用しましょう。搬入を終えたら、杭を専用の機械に固定します。地面に垂直になるように立てるのがポイントです。
圧入をおこないます。機械の重さをそのまま使い、回転させながら所定の深度まで杭を到達させます。杭を継ぎ足す必要が生じた場合には、次の杭を溶接しましょう。
杭を所定の深度まで圧入することができたら、最後に、仕上げ作業として杭頭処理を実施します。以上で、小口径鋼管杭工法のすべての手順を終了したことになります。
メリットの多い工法ではありますが、コスト面においては、それほどおすすめできないケースもあります。同じ条件で工事をすると仮定した場合、たとえば、柱状改良工法よりも小口径鋼管杭工法のほうが、工事のコストが高くなりやすいです。経済性を重視するのであれば、かならずしも小口径鋼管杭工法の採用が適しているとは言い切れません。
また、新しい盛土造成地など、比較的圧密沈下が大きい施工現場では、杭の使用については慎重さが求められます。というのは、圧密沈下が大きい土地で土地を使うと、建物自体の沈下は起こらなくても、そのまわりの地盤が下がってしまうことがあるからです。そうなると、杭の抜け上がりなどが発生する可能性もあります。
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