トラベラークレーンベント工法は橋梁の施工に用いられる工法の1つであり、橋下へトラッククレーンを設置できない環境で利用されます。橋梁の架設や土木工事に携わる土木施工管理技士として知っておくべきトラベラークレーンベント工法についてまとめました。
トラベラークレーンベント工法とはトラベラークレーンを使った橋梁架設の施工法であり、橋下にトラッククレーンを設置して工事ができないような場合に採用される工法の1つです。例えば流水部や鉄道、交通を遮断できない道路など橋の下の空間を活用することが困難な場面において、トラベラークレーンベント工法が用いられます。
トラベラークレーンベント工法であれば、橋をかける建設予定地において橋桁の下部空間を使えない場合でも施工することが可能です。
例えばトラッククレーンベント工法の場合、トラッククレーンを設置するための空間がなければ橋を架設することができません。また、交通量や交通機能の問題など物理的な問題以外でもトラッククレーンを設置できないようなケースは考えられます。
しかしトラベラークレーンベント工法であればそんなシーンでも施工が可能です。
トラベラークレーンベント工法では、トラベラークレーンを使って走行軌条を設置し、それを前進させながら架設していきます。そのため、トラベラークレーンや走行軌条の強度計算や補強が絶対的に重要であり、事前に厳密なシミュレーションと計算が行われていなければ施工を実施できません。
トラベラークレーンベント工法ではトラベラークレーンを、走行軌条を使って前進させながら少しずつ架設工事を進めていくという特性上、どうしても仮設備が多くなり、それを整えるための設備や部材、また作業が増えてしまいます。そのため工期が長引きやすくコスト面でも負担が大きい点に要注意です。
トラベラークレーンベント工法の流れは一般的に以下のようなものです。
トラベラークレーンベント工法は建設予定地の上部で少しずつ橋を延ばしていく工法になるため、落下防止や事故防止についての配慮が必須です。
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