「トラッククレーンベント工法」は橋梁の架設工事に利用されている施工法の1種であり、土木施工管理技士としてトラッククレーンベント工法が適している条件や現場環境などを含めて理解しておくことが大切です。
トラッククレーンベント工法とは、移動式クレーン(トラッククレーン/ラフタークレーン/ラフテレーンクレーン)を使いながら、橋梁の上部工(架設桁)を仮受台(ベント)で支えつつ架設していく施工法です。
トラッククレーンで架設桁を移動させて、ベントで架設桁を支えながら橋梁を連結させていき、最終的にベントを解体することで橋梁を完成させるといった工法になります。
またトラッククレーンはトラックの荷台の代わりとしてクレーンが搭載されている重機であり、トラックのように自走して目的場所へ移動し、クレーン作業を行えるという特徴があります。
トラッククレーンはトラックとクレーンが一体化したような重機であり、通常はトラックの運転室とクレーンの操作室が個別に設けられており、自走中はトラックの運転室で車両を操作して、クレーン作業中はクレーンの操作室で重機操作をするというものです。
またトラッククレーンはその他の移動式クレーンやラフタークレーン(ラフテレーンクレーン)とまとめて扱われることもあります。
トラッククレーンは自力でクレーンを目的地に運べるため、平地や現地まで舗装されている環境などにおいて適性があり、トラックレーンベント工法も必然的に平地を主として利用されることが特徴です。
移動式クレーンとしてトラッククレーンやラフタークレーン/ラフテレーンクレーンが利用されますが、厳密にはトラッククレーンとラフタークレーンには構造など複数の違いがあります。
トラッククレーンは「ユニック車」とも呼ばれ、トラックの運転席の後部にクレーン操縦室が設置されている重機であり、基本的にトラックをベースとしてクレーンを組み合わされた重機です。
一方のラフタークレーン/ラフテレーンクレーンは「クレーン車」と呼ばれる車両であり、「自走可能なクレーン」として考えることができます。またラフタークレーンは四輪駆動となっており、トラッククレーンでは走行が困難な路面や場所でも走行することが可能です。
トラッククレーンベント工法によって橋梁の架設工事を行う流れとしては、一般的に以下のようなものになります。なお、トラッククレーンによる現地までの移動はすでに行われているものとします。
トラッククレーンベント工法のポイントは、先に支持構造となるベントを設置して、それによって分割されている上部工を保持しつつ、溶接や高力ボルト締め付けによって上部工を連結させるという順序です。
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