土木工事といってもその規模は様々ですが、歴史に名前が残るようなビッグプロジェクトも数多くあります。私たちの生活を向上させる生活インフラや災害対策など、日本の未来を紡ぐ現場で活躍する土木技術に注目してみましょう。
世界が驚く日本の橋梁建設技術、地震にも負けない強度と精度
平地が少なく渓谷などが多い日本では橋梁建設が多く、技術も発達しています。中でも明石海峡大橋、瀬戸大橋など本州と四国をつなぐ連絡橋の建設は世界に誇る高度な土木建設技術が駆使されています。明石海峡大橋は世界最長、瀬戸大橋は世界一長い鉄道道路併用橋としてギネス認定を受けています。
どちらもこれだけの大きな建造物ながら、ミリメートル単位の精密な精度で組み上げられています。そのおかげで、大きな地震が多い日本の地でも倒壊することなく、人々の移動手段を守り続けています。
世界トップクラスの日本のトンネル土木技術、難工事のオファーも
国土のほとんどを山間部が占める日本ではトンネル工事が多く、建設技術も洗練されてきました。世界最大級の長さを誇る青函トンネルの建設では、試行錯誤の末さまざまな新技術が生まれています。高いトンネル土木技術は現在にも引き継がれ、海外の大規模プロジェクトでも活躍しています。トルコとアジアをつなぐボスポラス海峡トンネルでは、一番の難工事と呼ばれる部分を日本のゼネコンが担当しています。日本のトンネル技術は世界が認めるクオリティを持っています。
日本が持つ優秀なトンネル技術が活きる新幹線・鉄道事業
国内の長距離移動に欠かせない新幹線ですが、山間部が多い日本ではトンネルや橋梁など土木建設の活躍の場が多いです。2015年に開通した北陸新幹線では、雪が多い北陸特有の気候に合わせた設計が行われています。東京と大阪間で工事が計画されているリニア中央新幹線では、25キロメートルに及ぶ南アルプストンネルの難工事に挑みます。これまで培ってきた日本のトンネル建設技術を駆使し、国全体で挑む大規模プロジェクトです。課題解決のために、新しい技術もどんどん開発されています。
国家レベルの大規模プロジェクト、新しい技術開発のきっかけにも
ダムや河川などの治水事業は国家レベルのビッグプロジェクトが多く、スムーズな工事が求められるため土木の最新技術が多く投入されます。ここで生まれた技術が他の現場で活かされることも少なくありません。群馬県に建設中の八ッ場ダムでは、ドローンで現場情報を取得するなどの新しい試みが行われています。利根川系水域の洪水を防ぐ首都圏外郭放水路では、掘り出した大量の土砂を堤防盛り土工事に活用するなど、エコロジー観点での取り組みも進められています。
道路建設でも日本が持つ高いトンネル技術が活かされている
中央部を高い山脈が走る日本では、高速道路建設においてトンネル工事が欠かせません。日本が得意とするトンネル技術はここでも活かされています。トンネルの長さと土壌などの難しい条件から「土木のアポロ計画」と呼ばれた東京都アクアラインの工事では、安全性を確保するための自動セグメント組み立て技術が考案されました。ここで生み出された技術は、他の現場でも活かされています。新東名高速道路、首都高大橋ジャンクションなど、さまざまな高速道路建設の現場でも日本のトンネル技術は活躍しています。
スピーディーな災害復興、現場経験と新技術で取り組む
地震や台風など、自然災害が多い日本では災害への対策は欠かせないもの。災害が多いからこそ、発生時の対策や復興技術は高いものを持っています。東日本大震災では、大手のゼネコンが廃棄物や土砂の処理、道路復旧など幅広い土木技術で活躍しています。また大きな津波被害に耐えられるよう、護岸工事に新技術を用いて強化なども行われています。また、ドローンを飛ばして現場被害状況を確認するなどの新しい取り組みも次々と行われています。
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