塩尻 和之さん 45歳
塩尻さんが土木建設業界に入ったきっかけを教えてください。
塩尻さん
学生時代は土木工学を専攻していたので、土木建設業界に入ったのは必然的でした。 ティーネットジャパンへは橋梁や道路、都市計画など分野について勉強したいと思い、自身のステップアップのために転職しました。
現在は、どのような仕事をされているのですか?
塩尻さん
国土交通省が主体の渋谷駅周辺整備事業では、大規模複合開発ビルなど10事業者によるプロジェクトが一体的に進められています。その事業者の1つが東京国道事務所であり、計画課の技術員として業務に就いています。
国道直轄工事として整備するのは歩道橋・地下歩道・国道拡幅ですが、構造物同士の接続や輻輳(ふくそう)する工事調整など、国道単独では決めきれない事が数多くあります。そのためには関係者の協力を得なければならず、計画課が音頭をとり、まとめる立場にあります。重要なポジションですが、それを担当職員さんと共に進めています。
発注者支援に携わっていくうえで、塩尻さんが大事にしていることを教えてください。
塩尻さん
就いている業務の名称は資料作成ですが、 関係者との会議には積極的に参加するようにしています。会議は準備が重要ですので、事前にゴールや進め方、アジェンダを担当職員さんと考えます。そして、当日のイメージトレーニングをしておきます。議論の場では「こういった案はどうでしょう」とたたき台を用意しておき、皆さんが意見出しをできるような雰囲気を作ります。1回の会議で全て解決することはないので、次回への持ち越し宿題や役割分担を整理して次の日程をその場で決めます。すんなりいくことは希ですが、このようなフローを大事にしています。
塩尻さんが仕事をされていてやりがいを感じるのはどんなときですか?
塩尻さん
担当職員さんと一緒に関係者と議論しますが、担当職員さんの気がつかない問題や課題を提起して議論できたときは、やってよかったと達成感があります。 先日は歩道橋と建物の接続部に排水の樋が設計されていないところに気づき、このままでは歩道橋の腐食劣化が早まる可能性が高いことを懸念して問題提起したところ、再検討することに繋げました。
塩尻さんがこれまでに印象深かった仕事や現場について教えてください。
塩尻さん
現在担当している渋谷駅周辺整備事業についてです。関係者が多く、交渉ごとは大手鉄道会社や不動産会社の精鋭者たちとの議論です。十分な理論武装をしておかないと論破されますし、相手の立場も理解しておかないといつまで経っても平行線になります。そこに時間軸が加わるので、ゆっくりもしていられない状況です。 相手に伝えるにはどう話したら良いか、状況を覆すにはどういった資料にすれば良いか、周囲の意見を聞き入れるにはどうしたらよいか、など日々の試行錯誤が勉強になっている仕事であるという印象です。現在進行形なので印象というのは少々違うかもしれません。
塩尻さんにとって発注者支援業務やティーネットジャパンの魅力はどんなことですか?
塩尻さん
ティーネットジャパンの技術者は前職で得たスキルがあります。図面が描ける、構造計算書が読める、細かい構造物の取り合いが理解できるなどです。国土交通省の職員さんの仕事を当社の技術員が補って貢献する。自身のスキルを生かしつつ、顧客からの評価を高めることができるので、このことが発注者支援業務の魅力だと思います。
これまでに、仕事で辛かった経験、失敗や挫折などはありますか?
塩尻さん
業務の中では、土木分野だけではなく電気・機械設備や建築といったジャンルとも向き合わなければならないことがあります。あまり得意ではなく、知らない世界なので敬遠しがちになりますが、そうもいかないときは困ることがあります。
どのようにして乗り越えるのですか?
塩尻さん
報告書や参考文献などで不得手分野を学習するのも手ですが、必ずその道の専門家がいるので直接会話して解決するようにしています。電気設備ですと防災情報課、建築ですと工務課といったところです。 ただ、普段から顔を合わせることのない他部署の専門官や係長なので会話しづらいところです。しかし、専門家のお墨付きになりますし近道ですので積極的に取り組んでいます。これは同僚にも勧めることがあります。
土木建設業界で働きたいと思っている人、土木施工管理技士の資格取得を目指す人に、アドバイスをお願いします!
塩尻さん
土木建設業は、少子高齢化による技術者の減少や限られた財源のなかでのインフラ整備や維持管理を進めていくのが命題です。すでにICTやAIといった技術開発がものすごい早さで進んでいます。
将来、技術者が機械に置き換えられる(可能性がある?)反面、使いこなすにはより一層のマネジメント能力、コミュニケーション能力、リーダーシップ能力が求められます。土木建設業の専門技術のほかに、このような能力も必要になってくることも念頭に置いておくべきだと思います。
最後に、塩尻さんがこれからやってみたい仕事、目標を教えてください。
塩尻さん
最近は「働き方改革」に取り組むよう呼びかけられています。ここで残業時間上限や所定数の有休取得を義務化されました。ただ、これを達成するには通常業務のこなし方から改善していく必要があると思いますが、それには触れられていないのが現状です。
発注者支援業務では受注者がどうしても受け身にならざるを得ない立場にあり、受注者だけでは解決しにくい状況です。しかし、担当職員さんと技術者の間に、役割分担やスケジュール管理などを上手くマネジメントできる人間が介入できれば、業務の適正化や成果品質の向上など双方にとってメリットを見いだせると思うので、改善の余地は大いにあると思います。受発注者がともに気分よく仕事ができるようにマネジメントに努めます。
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