曽我部 健一さん 48歳
曽我部さんが、そもそも土木建設業界に入ったきっかけを教えてください。
曽我部さん
大学の専攻が土木海洋学科で、海洋や土木、気象に興味がありました。いろいろ就活をしたのですが、気象、海洋関係の会社が地元(愛媛)になかったり、試験に落ちたりして、最終的に決まったのが土木業界でした。
現在はどのようなお仕事をされているのですか?
曽我部さん
国土交通省の地方整備局に所属する河川事務所で発注者支援業務を行っています。
おもに行っているのは事務所発注業務の発注手続き、積算根拠資料の作成で、これは業務の設計書の価格を定める根拠資料になります。業務発注後は役所の担当職員の意図を発注業務の担当者に伝えたり、受注者からの要望を簡潔に要約して担当職員に伝達したり、業務遂行に必要な資料を事務所の書庫から探したり。
業務が円滑に進むように発注者と受注者を取り持つのが発注者支援業務の仕事です。
私は水文水質業務が担当ですので、流量観測、水質採水調査、出水対応を行っております。
河川の流量は出水時の外力や、経年変化で河床が変形し河川を流れる水量に変化が生じます。それによって河川構造物の形状や、瀬や感潮区間(河口付近で海の潮汐が水位や流速に影響を与える区間)が変化し、魚類を含めた水生生物の生息域も変化を生じます。そのため、河川流量は河川の整備を進めていく上で重要になります。
曽我部さん
流量観測は、通常水位の時に行う低水流量観測と、洪水時に行う高水流量観測があります。低水流量観測は流速計(風速計の水中用みたいなもの)を使用し、高水流量観測は洪水時に浮子といって大きな棒状の浮きを河幅に均一に投下しその流下速度を測定する事で流量を測定します。また出水前後や定期的に河川横断測量を行うことで河床変化による流量変化に対応します。
曽我部さん
河川には採水する基準地点が決められていて、定期的に様々な項目の水質試験を行っています。昔から同じ地点で行うことで河川の水質の変化をつかみます。また水質事故といって、河川巡視や市民からの通報で河川に油等が流出した際には、付近の水質試験を行って汚染範囲や汚染物質の特定を行います。これらが水質採水調査業務です。
そして私の業務の肝になるのが、出水対応です。
大雨によって河川が増水した際、正確には増水する前から水位予測システムで水位上昇を把握します。そして、県土木事務所、整備局、市役所、マスコミ、消防などの関係機関に警戒を呼びかける書類をFAXやメールで送付します。
この呼びかけのタイミングは水位によって知らせる内容が決まっており、水位が上昇するのを遅れることなく把握して関係機関にお知らせします。
出水によって浸水等の被害が発生した場合は、対外的な記者発表資料の速報値として、浸水範囲、浸水深さ、床上床下戸数等の被害状況を把握します。
こういった業務を現在行っています。
詳しくお教えいただき、ありがとうございました。曽我部さんが仕事をするうえで大切にしていることはありますか?
曽我部さん
自分が直接関わる仕事では、信用を失わないよう、とにかく中途半端な仕事はしないということです。そして、発注者支援という「みなし公務員」の立場を常に忘れないことですね。
お仕事をされていて、どんなときにやりがいを感じますか?
曽我部さん
補助で会議などに出席し、自治体の首長や識者の意見を生で聞けることです。もちろん聞いたことは守秘義務がありますが、自分自身の見識を豊かにできます。
曽我部さんがこれまでに印象深かったお仕事やプロジェクトについて教えてください。
曽我部さん
平成28年9月、台風16号による大雨で中筋川の水位が上昇し、計画高水位を超過した際の出水対応です。戦後2番目(8.85m)の水位に到達し、計画高水位を超過する中、出水対応を行い関係機関に警戒を呼びかけました。これまでの治水事業により、堤防被害を防ぐことが出来たことが強く印象に残っています。
曽我部さんにとって発注者支援業務やティーネットジャパンの魅力はどんなことですか?
曽我部さん
発注者支援業務は、普段見ることが出来ない公共事業の計画に携わることが出来る、数少ない仕事だと思います。今の事務所では自分が古株なこともあり、過去の業務等について相談を受けることもあり、とてもやりがいのある仕事です。現在は待遇、残業時間ともに満足しています。
曽我部さんは現在単身赴任中とのことですが、単身赴任ならではの悩みやご苦労はありますか?
曽我部さん
現在のグループが3人体制なので体調を崩したら業務が回らなくなってしまいます。体調管理にだけは気をつけています。そのために「食生活」に気を使い、「運動」「ストレス解消」を心掛けています。
最後に、曽我部さんがこれからやってみたい仕事、目標を教えてください。
曽我部さん
現在の部署の仕事がとてもやりがいがあるので、これからも河川管理、水文分野でやっていきたいです。
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