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酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者

酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の概要や酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の資格を活かせる業種、業務内容、資格取得に必要な講習内容をまとめました。

酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者とは

トンネルや下水道など、酸素欠乏症(酸欠)や硫化水素中毒を引き起こす可能性がある現場で、作業の指揮や監視ができるになる資格です。酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者が必要な場所は多くあります。マンホールやピット、地下室のほか、長時間使用されていない井戸の内部や熱交換器。管・暗渠・坑内などでの作業が必要な現場に求められます。

酸素欠乏・硫化水素中毒とは

酸素欠乏とは、空気中の酸素濃度が低下することです。酸素欠乏状態の空気を吸入すると酸素欠乏症になり、めまいや意識喪失を起こし、最悪の場合は死に至ります。

硫化水素中毒は、化学反応によって高濃度の硫化水素ガスが空気中に発散され、人体に影響を及ぼすことです。嗅覚の麻痺や目の損傷にはじまり、呼吸障害や肺水腫を引き起こして死に至るケースも。これらの症状は、閉鎖的、または換気の悪い半閉鎖的な空間で起こります。

酸素欠乏症や硫化水素中毒は、あるはずの空気中の酸素が欠乏していることが原因で起こります。酸素が欠乏しているといち早く気づくためにも、正しい知識のもとで作業管理を行うことが重要です。

酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者が必要になる業種・業務

酸素欠乏・硫化水素中毒は、致死率が高いにもかかわらず、毎年少なからず事故が発生しています。酸素欠乏症になりやすい場所はマンホールや地下ピット、硫化水素中毒になりやすい場所は、し尿・汚水などガスが発生するタンク内です。

他にも、鉄が酸化した空間や密閉された場所、ガス田地帯などが酸素濃度の低下が激しい場所あるいは硫化水素ガスが発生しやすい現場です。作業をするうえで専門知識を持つ酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の選定が必要になります。

トンネル工事・下水道工事を行う建設業をはじめ、タンク清掃を行う清掃業、内部からは開けられない冷蔵庫を管理する運送業など、多くの業種や業務で求められる資格です。

酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の講習・科目

学科(一般講習)

受講科目 受講内容 受講時間
酸素欠乏症、硫化水素中毒及び救急そ生に関する知識 酸素欠乏症及び硫化水素中毒の病理、症状及び救急そ生 3時間
酸素欠乏及び硫化水素の発生の原因及び防止措置に関する知識 ・酸素欠乏及び硫化水素の発生原因
・酸素欠乏及び硫化水素の発生しやすい場所
・酸素及び硫化水素の濃度の測定方法
・換気の方法
4時間
保護具に関する知識 空気呼吸器、酸素呼吸器及び送気マスク、墜落制止用器具等並びに救出用の設備及び器具の使用方法並びに保守点検の方法 2時間
関係法令 ・法令及び安衛則中の関係条項
・酸欠則
2時間30分
学科試験 - 1時間

学科(特別講習)

特別講習は、酸素欠乏危険作業者技能講習(旧1種)を修了した人、昭和46年9月26日までに行われた「酸欠作業主任者技能講習」を修了した人が対象となります。

受講科目 受講内容 受講時間
硫化水素中毒に関する知識 硫化水素中毒の病理及び症状 1時間
空気中の硫化水素の濃度が百万分の十を超える状態の発生原因及び防止措置に関する知識 ・空気中の硫化水素の濃度が百万分の十を超える状態の発生原因
・空気中の硫化水素の濃度が百万分の十を超える状態の発生しやすい場所
・硫化水素の濃度の測定方法
1時間
関係法令 法令、安衛則及び酸欠則中の硫化水素中毒の防止に係る関係条項 30分
硫化水素の濃度の測定方法 ・硫化水素濃度測定器の取り扱い
・測定位置の選定
1時間
学科試験 - 1時間

実技(一般講習)

受講科目 受講内容 受講時間
救急そ生の方法 ・人工呼吸の方法
・人工そ生器の使用方法
2時間
酸素及び硫化水素の濃度の測定方法 ・酸素濃度測定器及び硫化水素濃度測定器の取り扱い
・測定位置の選定
2時間
修了試験 - 1時間

実技(特別講習)

受講科目 受講内容 受講時間
硫化水素中毒に関する知識 硫化水素中毒の病理及び症状 1時間
空気中の硫化水素の濃度が百万分の十を超える状態の発生原因及び防止措置に関する知識 ・空気中の硫化水素の濃度が百万分の十を超える状態の発生原因
・空気中の硫化水素の濃度が百万分の十を超える状態の発生しやすい場所
・硫化水素の濃度の測定方法
1時間
関係法令 ・法令及び安衛則中の関係条項
・酸欠則
2時間30分
修了試験 - 1時間

講習・科目について

上記の学科講習・実技講習を受講後、学科講習後に筆記試験、実技講習後に修了試験に合格することで酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者の資格を取得できます。

筆記試験は、60%以上が正解していれば合格基準となります。学科講習の内容をメモに取るなどすれば十分に合格を目指せる試験です。難易度は高くないと言えるでしょう。

実技講習後の修了試験では、声出しができているか、水素濃度・酸素濃度の測定方法が正しいかをチェックされます。実技講習の際は、声出しと測定方法についてしっかり覚えておきましょう。

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