電気工事施工管理技士とは、電気工事施工管理技士の国家資格保有者で、電気工事の施工管理を行う技術者のことです。
ここでは、電気工事施工管理技士の仕事内容や給料、やりがいなどについて紹介します。
施工管理の中でも「電気工事」を専門に取り扱うのが、電気工事施工管理技士です。電気工事施工管理技士の仕事内容には、電気工事に関する施工計画を立てるほか、安全管理や品質管理、監督業務などがあります。建築物をつくるときには電気工事が伴いますが、誰にでもできるわけではありません。電気工事には電気工事士という資格が必要となります。さらに現場の責任者として施工管理を行っていくためには電気工事施工管理技士の資格が求められます。電気工事施工管理技士は、一般住宅の電気配線工事から、ビルや商業施設といった大規模建設物の電気工事、鉄道や信号の電気設備に至るまで電気にまつわるあらゆる電気工事に携わります。
電気工事施工管理技士の仕事は電気工事の現場で現場全体の管理することですが、施工管理者の仕事内容を代表的に「4大管理」と呼ぶことがあります。具体的には、工事が納期まで完成するように作業のスケジュールを管理する「工程管理」、現場に携わる作業員が事故なく安全に工事を終えられるように管理する「安全管理」、求められている品質に沿ったものが作れるよう管理する「品質管理」、あらかじめ決めた予算内になるよう資材の発注や原価を管理する「原価管理」となります。
また、これら4大管理の他にも工事の発注者や現場監督などと一緒に工事の打ち合わせをしたり、工事書類の作成をしたりといったデスクワーク業務もあります。
電気工事施工管理技士になるには、国土交通大臣指定機関が実施する電気工事施工管理技士試験に合格する必要があります。1級と2級がありますが、この試験は誰でも受けられるわけではなく、どちらも最終学歴によって変わる一定の実務経験が必要となります。そのため、まずは電気工事を行う会社に就職し、まずは電気工事士資格を取得して実務経験を積みましょう。
電気工事施工管理技士の資格は、1級・2級のいずれも学科試験と実地試験があり、その両方に合格しなければなりません。平均合格率は45~70%それほどでそれほど難易度の高い資格ではありませんが、国家資格なのでしっかりとした対策は必要です。
電気工事施工管理技士の平均年収は、500万円~700万円程度です。一定の実務経験を経てから取得できる資格のため、経験と専門知識が伴った電気工事のスペシャリストとして年収は比較的高めに設定されていることが多いようです。
また企業によっては資格手当として、毎月1万円~1万5千円程度の支給を受けることができます。電気工事施工管理技士の資格は会社にとってもメリットが大きいため、受験のための対策や費用負担などのバックアップがある会社も多いです。
電気工事施工管理技士のやりがいのひとつとして、さまざまな建物で安心・安全に電気を使えるようにすることで人々の暮らしを支えることができるという点が挙げられます。人々が電気が当たり前に使えるのは、電気工事に携わる技術者たちの力があってこそ。無事に工事が完了した際には、見えないところでも社会に貢献できているという喜びを実感できるはずです。電気工事は誰にでもできる仕事ではないため、プロフェッショナルとしての誇りも得られるでしょう。
また、工事現場には電気工事以外にもさまざまな専門業者が立ち入ります。そんな方々と一緒に仕事をすることで人とのつながりを感じられるのもやりがいと言えます。また現場作業員とのつながりも大切で、現場を円滑に動かすには普段からコミュニケーションを小まめにとらなくてはいけません。 現場の中での人間関係をうまく作れると、工事完了後の達成感をより感じられるでしょう。
電気工事のスペシャリストとも言える電気工事施工管理技士の就職先には、多くの選択肢があります。例えば電気工事施工管理技士は電気設備に関する知識が深いため、「総合住宅機器メーカー」で活躍することも可能です。住宅にはシステムキッチンや電気温水器、太陽光関連機器などさまざまな電気設備が備わっているため、どのような職種であっても電気工事施工管理技士の需要は高いでしょう。
また、自治体では電気設備工事技術者を募集することがあるため「公務員」も選択肢のひとつと言えるでしょう。電気設備工事技術者の枠であっても公務員には変わりないため、給料の安定や土日休みでライフワークバランスが保ちやすいなどのメリットがあります。
建設業界全体の現状における課題となっている高齢化と人材不足という現状から、電気工事施工管理技士も今後ますます需要が高まることが予想されます。電気工事という専門分野において確かな知識や技術を持つ電気工事施工管理技士は、将来にわたっても必要とされる人材となるでしょう。
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