管工事施工管理技士とは、施工管理技士の国家資格の一種で、冷暖房や空調など各種管工事の施工管理を行う技術者のことです。ここでは、管工事施工管理技士の仕事内容や給料、やりがいなどについて紹介します。
管工事施工管理技士の仕事は、管工事の現場を取り仕切ることです。管工事全般に携わり、具体的には冷暖房や空調、給排水、ダクト、浄化槽設備、ガス管などの各種管工事の施工管理を行います。管工事は住居やオフィスビル、商業施設など建物全般において必要となりますが、管工事施工管理技士はそれら工事の「工程管理」「品質管理」「安全管理」「コスト管理」を行います。
管工事施工管理技士は、管工事に携わる技術者の中でも管工事に関する専門的な知識や技術を持つことになります。配管工事は建築物の壁の中や天井裏に配管を設置するため目立ちませんが、施工不良があると大きな事故に繋がったり、人の生活の安全・安心も脅かされてしまう可能性があります。そのためしっかりとした施工計画や工程管理を行い、各技術者をまとめる管工事施工管理技士の存在が重要になってきます。
管工事施工管理技士になるためには、国土交通大臣指定機関が実施する管工事施工管理技士の国家試験に合格する必要があります。管工事施工管理技士の資格には1級・2級がありますが、どちらも受験するためには学歴に応じた実務経験を積まなければなりません。そのため、まずは建設会社や施工管理会社、配管工事会社などへ就職し、実務経験を積むことが資格取得への第一歩となります。
まずは2級資格を取得してからさらに実務経験を積んで1級を目指す人もいますし、1級の受験資格を満たして最初から1級に挑戦する人もいます。合格率はおよそ40%~60%のため合格へのハードルはそれほど高いわけではありませんが、働きながら勉強するのは容易ではありません。限られた時間の中で、しっかり対策を練って効率的に勉強する必要があります。
管工事施工管理技士は資格取得に実務年数が必要なこともあり、基本的に新人技術者や資格を持っていない技術者より高く設定されています。企業規模や資格の種類などによって異なりますが、年収516万円が平均給与となっています。
なお、1級管工事施工管理技士を取得している場合は資格手当が支給される企業も多いです。大手企業の管理職になると、年収800万円くらいもらう人もいるようです。
管工事は目につかない分、一般の人はあまり意識しない分野であるかもしれません。しかし建物にとって管設備は必要不可欠です。例えばお風呂やキッチンでは水を流す管が必要ですし、エアコンなどの空調も照明機器なども管工事を行うことによって使うことができます。管工事施工管理技士はまさに人々の暮らしや社会を支える仕事であり、こうした責任ある仕事に携われることにやりがいを感じられるでしょう。
また活躍の幅も広く、住宅やビルといった建物だけではなく、時には鉄道の車両基地や大きな製造工場、重要文化財のある建築物など、あまり一般の人が足の踏み入れられない場所の工事を担当することもあります。さまざまな分野の案件に携われるのも、この仕事の魅力のひとつです。
管工事施工管理技士の主な就職先は、建設会社や配管工事会社となります。設備工事を請け負うゼネコンの下請企業であるサブコンに就職する人もいます。また特定の企業に勤めるのではなく、派遣会社に登録してさまざまな現場に出向くという働き方も可能です。本人次第で年収アップも期待できますし、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方をすることもできます。
建設業界全体で技術者の高齢化が進行しているため、若手の管工事施工管理技士の資格保有者は引く手あまたとなっています。資格を取得できれば、中長期的に安定して働くことができるでしょう。特に1級を取得できれば特定建設業の専任技術者や大規模工事の監督が行える監理技術者として活躍できるため、需要は大きくなります。できるだけ若いうちに資格を取得すれば活躍のチャンスはより増えていくでしょう。
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