こちらでは、型枠大工の仕事について紹介しています。土木施工間技士として活躍された経験を持つ方であれば、コンクリートの建物を建築する際に果たす型枠大工の重要性についても、スムーズにイメージしやすいのではないでしょうか。型枠大工の仕事内容や魅力、収入面などについてわかりやすく解説していきます。
コンクリートの建物を建設するには、コンクリートの形を固定するための型枠を使用します。型枠大工は、この型枠の組み立てから解体までの全プロセスの作業を担当します。コンクリート外壁は、建築物の大枠です。大枠の建設作業をおこなうわけですから、その重要性の高さがわかります。
作業を進めるのにかなり多くの種類の道具が必要になるのも、型枠大工の仕事の特徴だといえます。
パネル加工の下準備をするには、指金と墨壺が必要です。前者は寸法を測るために、そして、後者は切ったり穴をあけたりする場所にしるしをつけるために、それぞれ必要になります。実際の加工業務に際しては、錐・鋸・鉋を使います。
さらに、加工済みのパネルの組み立てに際しては、ハンマー、釘締め、バール、電動ドリル、ポンチ、フォームタイ廻し、クランクタイ廻し、スケール、下げ振りなどが必要です。
特定の資格を取得しなくても、型枠大工になることは可能です。一般的な流れとしては、まずは見習としてスタートし、その中でスキルを身に付けていくことで、一人前の型枠大工を目指すことになります。他には、企業が新卒者を採用し、認定訓練校にて育成をおこなっているところもあります。
熟練工のもとで見習いとしてキャリアをスタートさせる場合には指導に沿って測量、墨出し、加工、組立てなど作業を学びます。こうして実務経験を積んでいけば「型枠施行技師」の受験要件も満たすことができます。この資格試験は、厚生労働省が定める技能検定のひとつです。また、作業責任者を目指すのであれば「型枠支保工の組立て等作業主任者」の資格を取得することが求められます。
厚生労働省が2019年に厚生労働省がおこなった調査では、全国の平均年収は388.4万円となっています。一般的な勤め人の場合は440万円程度であることと比較すると、型枠大工の年収はやや低めであるとわかります。
型枠大工の平均年収は、都道府県によってかなりのバラつきがあるのも特徴です。平均年収がもっとも高いのは石川県で、596.1万円となっています。一方、もっとも低いのは佐賀県で、192万円となっています。型枠大工が数十人しかいないエリアもあり、それもこのバラつきの原因のひとつとなっているようです。
参照元：建設業･施工管理 派遣の夢真
（https://tobcolumn.yumeshin.co.jp/cat-3/428/）
参照元：賃金構造基本統計調査｜厚生労働省
（https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html）
決してラクな仕事とはいえませんが、大きなやりがいも感じられるのが、型枠大工の仕事です。型枠を寸法どおりに仕上げたつもりでも、実際に組み立てると、たいていの場合、いくらかの誤差が生じてしまうものです。そんななか、誤差なく組み立てが完了したときなどは、強い達成感ややりがいを得られるでしょう。
建設会社や工務店などが、型枠大工の主な就職先です。ハウスメーカーを就職先に選び、そこでキャリアを積んでいく方法をとる方もいます。型枠大工の勤務先では、基本的には勤務時間や休日などは固定されているものの、天候の影響を受けやすい仕事であるため、工期を調整するために、時間外労働をしなくてはならない場合もめずらしくありません。
また、賃金は日給か月給制のいずれかを導入し、さらに能率給の支給もおこなっているところが多いです。ただ、熟練の型枠大工の場合には、出来高払いになることも珍しくありません。また、就職先によって福利厚生の充実度はさまざまです。ですから、就職先をさがす際には、募集要項などをしっかりと比較検討しておくことが重要です。
コンクリート造りの建築物の建設においては、型枠をつくる作業を省略することはできません。ですから、今後も型枠工事の需要がさがることはないと推測されます。将来性ありと考えてよいでしょう。
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