ここでは、塗装工について解説しています。さまざまな目的のために対象物に塗装を施す塗装工は、作業をおこなうために足場の知識なども必要となります。現場監督としての経験を積んできた土木施工管理技士の方であれば、塗装の役割や位置づけを理解したうえで、これまでの経験を塗装工の仕事にも活かしていけるのではないでしょうか。
塗装には、建築物や金属などに塗装を施す「建築塗装」と、自動車のボディーなどに塗装を施す「板金塗装」とがあります。自動車のボディー塗装の際には、もともとの車体の色味にできる限り近づけるように工夫する必要があるなど、職人のスキルがものをいう作業だといえます。
また、塗装をほどこす目的も、ケースによって異なります。大きく2つの目的に分けられます。ひとつは、「美装塗装」で、これは対象物の外観を改善するためにおこなわれる塗装です。もうひとつは、「防水塗装」です。その名のとおり、防水のためにさび止めを施すための塗装です。
必ず取得しておかなくてはならないような資格はありません。ただ、塗装工として充分な知識やスキルを身に付けていることを証明するためにも、そして、資格手当などを得やすくするためにも、取得しておいたほうが有利な資格はあります。「塗装技能士」です。これは、厚生労働省認定による国家資格のひとつで、難易度の異なる3つの級が設定されています。
1級および2級を受験するためには、実務経験に関する受験要件を満たしていなくてはなりません。難易度がもっとも高い1級は7年以上、そして2級は2年以上の実務経験が、それぞれ受験要件として定められているので、注意が必要です。
企業や事業所の規模によって一定の差はあるものの、同業種のなかでは、塗装工の年収は比較的高い部類に入ります。また、種塗装工の男女比率は、およそ9:1となっており、男性が占める割合が圧倒的に多いため、ここでは男性の場合の平均年収をみていきます。厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査」によるデータです。
塗装工が働く事業所は「10人以上」規模のカテゴリーに該当するところが多いです。このカテゴリーの場合、月収は27万6,600円で、賞与が67万7,000円となっています。よって、年収は、399万6,200円ほどであると推定されます。また、「1,000人以上」規模の事業所や企業の場合、月収は32万300円で、賞与が135万4,200円となっています。年収は、519万7,800円ほどであると推定されます。
塗装作業は、頑張り次第でスキルアップをしていくことができ、その成果も仕事に反映させやすいという特徴があります。質の高い仕上がりを実現すれば、お客さんからも喜ばれるため、大きなやりがいにつながるはずです。努力の成果を実感しやすい塗装工の仕事には、大きな魅力があるといるでしょう。
主な就職先としては建設会社のほか、住宅メーカーなどが挙げられます。建設会社や住宅メーカーの、塗装工へのニーズの多さがその背景にあります。また、やや少数派にはなりますが、就職先に建設機械や自動車のメーカーを選ぶ人もいます。
これは塗装工に限った話ではないのですが、職人とよばれる人が専門的な技術を駆使するような仕事は、全体的に人手不足が続いています。この状況は、深刻な社会問題のひとつとなっています。ですから、高い技術を身に付けた塗装工に対する需要は、これからも減少することはないと考えてもよさそうです。
確かに、人手不足をAIなどの技術で補填するための体制づくりがととのいつつある分野もあるでしょう。けれども、それが簡単にはできない分野の仕事も少なくありません。塗装工の仕事がその一例です。時間をかけてスキルを磨いていくことで習得できる塗装工の技術は、替えが利きにくいのです。
また、少子高齢化が進む現在、若年層の育成を優先的に取り組んでいこうと考えている会社も増えてきています。
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