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保護具着用管理責任者

化学物質のリスクアセスメントを行い、結果に基づいて労働者に保護具を使用させる管理者が保護具着用管理責任者です。このページでは、保護具着用管理責任者の仕事内容や専任要件、教育内容、そして教育を受けることで得られるメリットなどを紹介していきます。

保護具着用管理責任者の仕事内容

仕事内容は、大きく3つに分けられます。

【1】保護具の適正な管理

作業環境の測定結果や作業内容などを踏まえた上で、適正な保護具を選択します。

【2】労働者に保護具を適正に使用させる

  • 保護具の使用マニュアルを作成する
  • 呼吸用保護具については、フィットテストを実施して着用状態を確認する
  • 着用方法や使用方法に関する教育を行う

【3】保護具の保守管理

  • 保護具の保守管理マニュアルを作成する
  • 保守管理に関する教育を行う
  • 保護具管理の記録を作成・保管

保護具着用管理責任者の専任要件

  • 化学物質管理専門家の要件に該当する
  • 作業環境管理専門家の要件に該当する
  • 安全衛生推進者の要件に該当する
  • 労働衛生コンサルタントである
  • 「第1種衛生管理者免許」「衛生工学衛生管理者免許」のうちいずれかを受けている
  • 作業主任者技能講習を修了している
    ※特定化学物質・有機溶剤・鉛・四アルキル鉛

上記に挙げた者の中から選任することができない場合には「保護具管理に関する教育を受講した者」から選任する必要があります。また、すでに知識・経験を身に付けている人であっても、あらためて教育を受けることが望ましいとされている点についても、留意しましょう。

保護具着用管理責任者教育を受けるメリット

仕事の幅が広がる

保護具着用管理責任者教育を取得すれば、携わることのできる仕事の幅が広がります。たとえば、未取得の場合には許可されていない「保護具を使用する労働者の管理業務」への従事が可能になります。

キャリアアップにつながる可能性がある

講習を受けて知識やスキルを身に付けることによって、技術者としての付加価値が高まり、キャリアアップしやすくなります。その結果、企業から重宝される人材として活躍できるようになるだけでなく、将来の可能性を広げることにもつながるはずです。また、労働災害を回避するという観点においても、取得して損のない資格であるといえます。

今後の需要が期待できる

保護具着用管理責任者教育は、将来的なニーズの高まりが予想されます。省令の改正からそれほど時間が経っておらず、受講者数がまだそれほど多くないというのが、その理由です。また、現場における安全および労働災害防止といった観点からみて保護具の着用が必要不可欠であることも、もうひとつの理由としてあげられます。

保護具着用管理責任者教育の内容

受講対象者

項目 対象者
義務づけられている方 保護具着用管理責任者の資格を保有していない方で、保護具着用管理責任者としての従事を考えている方
受講が望ましい方 保護具に関する知識・経験を有していると認められる方(以下の資格保有者)
・化学物質管理専門家に該当する方
・作業環境管理専門家に該当する方
・労働衛生コンサルタント試験の合格者
・第一種衛生管理者免許または衛生工学衛生管理者免許の保有者
・作業主任者
・安全衛生推進者等養成講習の受講者
など

学科講習

項目 講習内容 講習時間
保護具着用管理 ・保護具着用管理責任者の役割と責務
・保護具に関する教育の方法
0.5時間
保護具に関する知識 ・保護具の適正な選択に関すること
・労働者の保護具の適正な使用に関すること
・保護具の保守管理に関すること
3時間
労働災害の防止に関する知識 保護具使用にあたって留意すべき労働災害の事例および防止方法 1時間
関係法令 安全衛生法、安全衛生省令および安全衛生規則における関係条項 0.5時間
合計 - 5時間

実技講習

項目 講習内容 講習時間
保護具の使用方法など ・保護具の適正な選択に関すること
・労働者の保護具の適正な使用に関すること
・保護具の保守・管理に関すること
1時間

受講費用

受講費用については、講習を実施している機関によって異なりますが、一応の目安として、2万円程度を想定しておくとよいでしょう。ただ、受講費用にテキストの料金や修了証の発行代金が含まれていないケースもあるので、受講を検討している方は、あらかじめ確認しておくことが大切です。

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