家具職人とは、文字通り家具を作る職人のこと。家具デザイナーが設計した図面に基づいて家具を製作する仕事になります。ここでは、家具職人の仕事内容や給料、やりがいなどについて紹介します。
家具職人の仕事内容は、家具を製作することにあります。家具は大手メーカーにより大量生産が可能になって安い値段で気軽に買えるようになりましたが、その一方でオーダーメードの家具の人気も衰えていません。家具をつくる上で、機械ではできない部分を手作業でフォローするのが家具職人です。またハンドメイドの家具を一から作り上げることもあります。その場合、家具職人は設計図のチェックから材料選び、加工、組み立て、塗装まで一人でほとんどの作業を行います。住まいや施設などそれぞれの建物に合わせた家具づくりは家具職人がいなくては成り立ちません。
家具職人は家具の製作以外にアンティークの家具などの修理修繕などを行う場合もありますし、職人とデザイナーを兼任しているケースもあります。また工房を統率する立場に当たる職人の場合は、経営者としての役割を求められます。家具工房を経営しているならば工房の代表者として対外的な活動を行ったり、技術を継承する弟子の教育にも力を入れる必要があります。
家具職人になるための必須資格はありません。家具職人になるには、家具製作会社や工房に就職をすることからはじめます。未経験者であっても見習いとして企業や工房に就職して真摯に技術や知識の習得に励めば、数年後には一人前の家具職人として独立することも可能でしょう。ただし人材の採用枠は限られているため、工房に直接問い合わせたり木工品の展示会に足を運んだりなど積極的な情報収集が必要です。ヨーロッパでは家具職人になるための職業訓練が日本より盛んなため、海外で修業をするという道もあります。
またキャリア積んだ後、現場責任者を担うことのできる「家具製作技能士」という国家資格を取得する人もいます。資格を取得することは一定水準の知識や技術の証明になるため、自身が制作した家具の宣伝や独立する際には有利になることもあるでしょう。
家具職人の給料は、企業や工房に勤める場合と独立して働く場合で異なります。企業や工房に勤める場合、平均年収は200~420万円ほどといわれています。見習いのうちは月収が20万円以下の場合が多く、中には月給10万円程度という人もいます。
自分で工房を構えるなど独立して働く場合、収入はアップする可能性があります。ただし、企業に勤めていたときのように一定の給料があるとは限りません。人気が出て高値で家具が売れるようになれば高収入が見込めますが、仕事がなければもちろん収入はゼロとなるため経営者としての素質が求められます。
家具職人のやりがいには、シンプルにモノづくりの楽しさというものがあります。家具が出来上がったときには、達成感や満足感を味わうことができるでしょう。家具職人は基本的に一人でほとんどの工程を担当するため、モノづくりのやりがいを十二分に感じることができる仕事といえます。
また、自分がつくった家具をお客さんに喜んでもらえた瞬間も格別です。大量生産の家具が多く流通し何年か使用して痛んだら捨てるといった習慣が主流の現代だからこそ、完成した家具が購入者の生活に馴染んで現役で使われ続けているのを見られた時は、職人としての大きな喜びを感じられるでしょう。
家具職人の就職先には、家具メーカーや家具工房があります。大手家具メーカーでは機械を使って制作するため、手作業で技を使う機会は少ない反面、雇用待遇がよいというメリットがあります。
家具工房は規模が小さいところが多く、顧客から要望を受けてオーダー家具を製作したり、自由な発想でオリジナル家具をつくれるケースが多いです。また家具職人になるための職業訓練校や専門学校の講師として活躍する人もいます。
家具業界は、安価で使いやすい家具と高品質な高級家具の二極化が進んでいます。今後もこの二極化の動きはますます進むと見込まれていて、高品質でデザイン性の高い家具を求める人たちのニーズに対応できるような家具職人が求められています。特色のない工房は淘汰されていくでしょうが、技術力や独創性があれば低価格商品との差別化が図れ、活路を見出すことができるでしょう。今後家具業界で生き残るためには、デザイン力・技術力を身に着けることはもちろんのこと、オリジナルの高付加価値商品を生み出すことのできる職人になることが重要です。
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