不動産取引における契約関連業務を取り扱う宅建士。こちらでは、宅建士の仕事内容や宅建士になるために必要な資格のほか、見込まれる収入、仕事をこなす上で得られるやりがい、将来的な展望、就職状況および転職市場などについて紹介しています。
「宅地建物取引士」が宅建士の正式な呼び名です。宅建士は、不動産の取引を仲介するための契約関連業務をトータルに取り扱う仕事です。その中で、重要事項説明書の記名や調印、そして重要事項をお客様に伝える業務などは、宅建士が独占的に取り扱うことができる業務です。
勤務先の不動産会社によって異なりますが、宅建士がおこなう業務は多岐にわたります。お客さまに契約を結んでもらう以前のステップである「物件の紹介や内覧」「各種広告活動」「不動産の有効活用の提案」なども、宅建士の業務に含まれる場合があります。
プロの宅建士として業務をしていくためには、国家試験に合格することが必要です。受験資格に関しては、年齢や学歴の規定が設けられていないので、誰でもチャレンジすることができます。とはいえ、難易度が低いわけではないため、しっかりと勉強してからでなければ、合格は難しいでしょう。
もうひとつ注意しておきたいのは、宅建士の試験を受ける人数の多さです。人気の高い資格のひとつであるため、毎年20万人を超える受験生がおり、現在、全国ですでに100万人以上が宅建士の有資格者となっています。そのため、試験に合格したからといって、かならずしも希望の就職先が見つかるとは限らないと考えておいた方がよいでしょう。
平均年収はおよそ450~500万円前後(※)を見込めます。ただ、東京などをはじめとする、人口の多い大都市と比較すると、人口が少ないエリアにおいては、平均年収がこれよりもかなりさがってしまう場合もあります。
それほど高い平均年収でないように感じられるかもしれませんが、不動産関連の会社の中には、インセンティブを採用しているところが少なくありません。インセンティブというのは、個々のスタッフの営業成績に応じて、それぞれの成果報酬を決定する方法です。ですから、成果を出すことができれば、かなりの年収を得られる可能性があります。
不動産という商品は、かなり高額であることもめずらしくなく、そのため、お客さまの人生にも大きな影響を与える可能性のある取引の対象となります。マイホーム購入に対しては、「人生最大の買い物」という表現がひんぱんに使用されますが、実際そのとおりですね。
ですから、お客さまは重要な決断を迫られることになります。そういった場面において、プロフェッショナルとして、お客さまが適切な選択ができるようにサポートする仕事をまかせられているわけです。責任は大きいですが、宅建士が仕事で得られる大きな喜び・やりがいになるでしょう。
「賃貸」「売買」「管理」。大きく分類すると、不動産業務はこれら3つを扱う仕事です。それぞれが強く関連していますが、実際に手掛ける内容や規模は、個々の業務よって大きく異なります。ですから、宅建士の資格を持っている場合でも、関連する知識やスキルをさらに身に付けていくことが重要です。
不動産業界では転職はめずらしくなく、人の出入りがひんぱんなのが大きな特徴でもあります。ですから、転職を考えている人にとっては、適した業界だといえるでしょう。個々の能力を鍛えて評価を得ていく実力主義の傾向が強いので、能力に応じて好条件の就職先を求める人が多く、人の出入りが激しい要因ともなっています。
景気動向などの影響を受けやすい性質をもっている業界であるとはいえ、不動産取引件数に関しては、特に都市部を中心として、このごろは安定した状態が続いています。くりかえしになってしまいますが、宅建士の資格のみならず、関連するさまざまな資格を習得したりスキルを磨いたりすることで、安定した収入を得られるよう工夫していきたいところです。
宅建士は、「売主と買主」「貸主と借主」など、利害関係の衝突が発生しやすい2者の間に立ち、それぞれが納得するような方法で契約できるように調整する必要があります。相手の話をきいたり問題解決へ導いたりする能力が高い人に、特に適した仕事だといえるでしょう。土木施工管理技士としての経験で、お客さまとのコミュニケーション能力や打ち合わせを円滑に進めるためのスキルをすでに身に付けている人も多いはず。自分のセールスポイントを有効に発揮できる職業のひとつだといえます。
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