こちらでは、マンション管理士の仕事について解説しています。主な業務内容のほか、収入面や就職先に関する情報、仕事の将来性ややりがいについても、あわせて紹介しています。転職先の候補としてマンション管理士を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
マンション管理士は、マンション管理適正化法によって定められている国家資格制度です。一般住民などによって構成されている管理組合がマンションの管理を担当しているのが通常です。ただ、管理とひとくちにいっても、その内容はかなり多岐にわたります。
中には、専門的な法律知識なしには、なかなか対処しきれない問題もあります。そこで、適切なサポート業務をおこなうのがマンション管理士の役目です。トラブルが起こっている場合に、中立的な立場でアドバイスをすることが主な業務内容なひとつだといえます。利害関係がからむさまざまな問題が発生するため、マンション管理士が担う役割はとても大きいです。
マンション管理士は国土交通大臣の指定機関が主宰している国家資格です。この資格試験に合格して登録をすませるまでは、マンション管理士を名乗って業務をおこなうことはできません。ただ、職業名を名乗らなければ、業務を取り扱うこと自体は可能です。
マンション管理士試験を受験する際、学歴の規定や年齢制限などはありません。ですから、誰でもチャレンジすることが可能です。ただ、試験に合格したあとに就職先を探す際など、特に大手企業を希望している場合は、やはり一定の学歴を持っているほうが有利に駒をすすめやすいという側面もあります。
おおよその平均年収は400万円前後(※)とされています。一般的な会社員の収入と比較して、あまり差があるとはいえない数字ですが、これは、マンション管理士の資格のみを取得した場合の平均年収であると考えておくとよいでしょう。宅地建物取引士や建築士、電気工事士ボイラー技士など、業務に関連がある国家資格もあわせもっておけば、取り扱える仕事の幅が広がり、収入アップを狙うことも可能です。
あるいは、就職先で経験を積んだあとに、独立してマンション管理士だけでなく行政書士事務所、建築設計事務所事業、マンション管理に関するコンサルティングなど、さまざまな分野の業務を取り扱う事務所を構える人もいます。簡単な道のりとはいえませんが、事業が成功すれば、収入アップを目指すことができるでしょう。
法律などを含む、さまざまな専門的な知識をもって、マンション管理に関するアドバイスをしたり、トラブルが発生した場合の対処をしたりするなど、幅ひろい業務鵜を取り扱うマンション管理士。しっかりとスキルを身に付けて業務にあたれば、マンションで暮らす人々が、より快適に日々をおくれるようになるわけです。
人間にとって欠かすことのできない「住まい」。その環境や暮らしやすさを改善するためのサポートをまかされていると考えると、大きなやりがいを感じられるのではないでしょうか。
主な就職先として挙げられるのは、マンション管理会社やマンション販売業者などです。前者は、マンション管理業務を専門的に取り扱う会社です。一方、後者は、マンションの管理業務だけでなく、マンションを設計したり施工したりするとこころから、すべてのプロセスをトータルに取り扱う会社です。また、それほど規模が大きくない不動産会社などで、マンション管理業務に対応しているところもあります。
マンション管理士の資格は、難易度がやや高く、さらに、資格制度がスタートしてからの歴史が比較的浅いため、資格登録者数がまだそれほど多くないのが、特徴のひとつでもあります。そのため、マンション管理士の需要は高いです。この現状からも、新卒でなくても、転職して中途採用してもらえる可能性が決して低くないことがわかります。
打ち合わせなどの際に高いコミュニケーション能力が求められる、土木施工管理技士としての勤務経験などがある人は、マンション管理士に必要な資質をすでに身に付けているとも考えられます。マンションのさまざまなトラブルに対処する際、粘り強く双方の意見にしっかりと耳を傾けた上で妥協点を模索するなど、業務をスムーズにすすめる役割を担っているという点では共通しているからです。転職先の有力候補として検討してみるものよいかもしれませんね。
都市部などを中心として、マンションの居住者数が増加し続けている状況を背景に、管理組合がこなすべき業務も増加していくことが予想されます。マンション管理士には資格保有者のみが取り扱うことができる独占業務をもっていないというウィークポイントがありますが、関連スキルなどを身に付けて、他社との差別化をはかってゆけば、将来性を見込める仕事だといえるでしょう。
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