こちらでは、不動産鑑定士の仕事について説明しています。不動産鑑定士になるために必要な資格や見込める収入、やりがい、就職状況、将来性についても、あわせて紹介しています。不動産鑑定士への転身を考えている人は、イメージをふくらませるためのヒントとして、ぜひお役立てください。
さまざまな種類の不動産について、適正な値段をつけることが、不動産鑑定士の仕事です。ここでいう値段とは、広告などで提示される売値ではなく、経済的価値のことを指しています。建物の場合であれば、床面積や築年数、構造、用途、管理状態など、多くの視点から値段を決定していきます。
複雑に絡み合った複数の視点から価値を見極める作業は、一般の人には困難です。ですから、専門家である不動産鑑定士が値段をつける役割を担っているわけです。また、その値段は、銀行の担保評価の際に使用されたり、あるいは国などが発表する公的価格の指針となったりする場合もあります。
不動産鑑定士になるための国家試験を受験し、資格を取得することが必要です。難易度の高さでも知られている司法試験や公認会計士試験などとならび、合格するのが難しい試験です。ただ、受験するために求められる学歴に関する規定などはないため、だれでもチャレンジすることができます。
不動産鑑定士として業務をおこなっていくためには、試験に合格して資格を取得するだけでなく、実務修習を受けることも必要です。不動産鑑定事務所などで働きながら、この条件に対応していく人が多いようです。そして、講義・基本演習・実地演習のすべてを取得した後、修了考査に合格すれば、晴れて正式な不動産鑑定士として認められます。
不動産鑑定士事務所などで実務実習生として勤めている間は、正式な不動産鑑定士という立場ではありません。そのため、実務実習生である間は、一般的な大卒の勤め人の初任給と同じくらいの収入になります。
ただ、その期間を終え、修了考査にも合格すれば、収入のアップが見込まれます。勤務先によってバラつきはありますが、ボリュームゾーンとしては650~700万円台(※)をめやすとして考えておくとよいでしょう。また、実力がある不動産鑑定士で、かつ外資系金融機関などに勤めている場合、1,000万円を超える年収を得ている人もいます。
不動産鑑定業務は専門性がとても高い業務であるため、不動産鑑定士のみがその業務をおこなうことが許されています。つまり、独占業務を扱うことができるわけです。しかも、その業務による成果が社会的な指標として使用されることになるため、かなり大きなやりがいを感じられるのではないでしょうか。
不動産業界と金融業界のふたつが、不動産鑑定士の主な就職先です。前者の場合の具体的な代表例としてあげられるのは不動産鑑定事務所や不動産会社、そして後者の場合の具体的な代表例は銀行や信託銀行の「不動産評価部門」「REIT運用会社」などです。
不動産鑑定士になるための国家試験はとても難易度が高いので、学生の間に資格を取得して、就職時には正式な不動産鑑定士としてスタートする、というような人はそれほど多くありません。また、社会人として別の職業を経験し、その後、不動産鑑定士へと転身する人も一定数いるようです。。
理詰めで考えていくことが求められる職業ですが、現地まで足を運んで調査するなど、フィールドワークも業務に含まれます。ですから、フットワークの軽さも、不動産鑑定士に求められる資質のひとつであるといえます。たとえば、土木施工管理技士として勤めた経験があれば、さまざまな現場対応をこなしているはずですから、そういった資質をそなえている人も多いのではないでしょうか。
かつてよりも、取り扱う業務の幅が広がってきている傾向があります。業務内容が多角化していることがその理由です。たとえば、不動産の鑑定業務だけでなく、収益用物件などの管理運用を、信託銀行との連携のもと、取り扱っている人もいます。あるいは、国際財務報告基準に対応できるようにするため、企業会計の依頼に対応している人もいます。
もちろん、従来どおり、官公庁から依頼される公的な業務や銀行関連の業務は、将来的にもなくなる可能性は低いと考えられます。ですから、不動産鑑定士への需要は、引き続き安定した状態が続いていくでしょう。
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