こちらでは、清掃施設工事について解説しています。清掃施設にはさまざまな種類があるため、どの工事が清掃施設工事に該当し、どの工事がそれ以外の専門工事に該当するか、区分を把握しておくことが大切です。
また、専任技術者になるための資格や要件になどについてもあわせて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「清掃施設工事」の工事内容について、いまいち想像がつかない方もいるかもしれません。この場合に参考になるのが、国土交通省によって発行されている「建設業許可事務ガイドライン」です。このガイドラインには清掃施設工事の例示として「し尿処理施設」および「ごみ処理施設」が記載されています。
まずはゴミ処理施設についてですが、これは人々の日常生活と密接な関わりがあるものなので、理解しやすいでしょう。一方、し尿処理施設となると、土木工事に関わりのない方にとってはほとんど耳にしない言葉であると考えられます。し尿施埋施設には、主に2つの役割があります。
ひとつは、し尿および浄化槽汚泥などを処理することです。浄化槽というのは、排泄物および汚水を、水洗便所との連結による処理後、下水に放流する設備のことです。そしてもうひとつは、処理したものを公共的水域へと放流することです。まとめると、し尿埋施設とは、糞尿を処理する施設である、と説明できます。
し尿処理施設の工事は、「清掃施設工事」「水道施設工事」「管工事」の3区分に分けられます。それぞれの工事の内容は次のとおりです。
汲み取り方式によって収集されたし尿を処理する施設を建設する工事です。公共団体が設置をおこないます。
公共団体が設置するかつ、下水道によって収集された汚水を処理する施設を建設する工事です。公共団体が設置をおこないます。つまり、汲み取り方式でなく下水道によりし尿や汚水が収集される場合には、清掃施設工事ではなく水道施設工事に該当する、という区分になります。
浄化槽でし尿を処理する施設を建設する工事は、管工事に該当します。浄化槽の規模は無関係です。また、合併処理槽も浄化槽とみなされます。
一般建設業で清掃施設工事の専任技術者になるには技術士の国家資格を取得するか、あるいは実務経験を積む必要があります。資格を取得した場合には合格証があるので問題ありませんが、実務経験を活かす場合に提出する書類は、それを証明する書類を提出することになります。入金のある通帳の写しや過去の請求書などを書類資料として使用します。
技術士の資格を取得せずに清掃施設工事における専任技術者になるためには、対象となる学科を卒業した上で、既定の実務経験を有していることが条件になります。
対象となる学科は「土木工学」「建築学」「機械工学」「都市工学」「衛生工学」です。いずれかの学科を卒業している場合は、清掃施設工事の実務経験があれば専任技術者をつとめることが可能です。求められる実務経験年数は、学歴によって異なります。大卒および高専卒の場合は3年以上、そして高卒の場合は5年以上の実務経験年数が、それぞれ必要です。
学歴がなく、資格を取得していない場合に清掃施設工事の専任技術者なるには、10年以上の実務経験が必要です。
清掃施設工事は、人々の私生活に直に関係のある工事です。し尿処理施設も、ごみ処理施設も、生活していくうえで欠かすことができないものです。そして、清掃施設工事は、他の専門工事のいくつかと類似している点が多い場合もあるので、区分における考え方を把握しておくようにしましょう。
土木施工管理技士として、さまざまな現場に適した施工管理を実施する立場に立って活躍していきたいと考えている方は、清掃施設工事のような暮らしを支える工事について、充分な知識を身に付けておくことが大切です。
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