家屋やビルなどの建物全般を取り壊す工事を「解体工事」と呼び、建設業の中でも専門工事に分類されます。このページでは、解体工事の工法や一般的な流れなどを紹介するので参考にしてください。
家屋やビルなど建物全般を取り壊す工事を「解体工事」と呼びます。たとえば建て替えや新築工事を行う前に、古くなった家屋などを取り壊す工事などです。29種類もある建設業の1つであり、解体工事を行う際には許可や専門の資格が必要となります。
解体工事と言っても様々な工法が存在するので、ここでは一般的な工法について紹介しています。
人の手を使って解体工事を行う工法で、基本的に木造住宅で採用されるものです。重機などを使用しないため、騒音・振動なども少なくて済むという特徴があります。建設リサイクル法にある分解解体に従った解体が可能と言ったメリットもあるでしょう。ただ工期が長くなりがちで、解体費用も高くなってしまう可能性があります。
手壊し工法に重機を組み合わせた工法のことです。最も一般的な工法で、木造住宅などの解体工事で活用されています。密接した住宅エリアで解体工事を行う際、重機が活用できないことも多いため、まずは人力で解体できるところを対応したあとで、確保できたスペースに重機を侵入させ解体工事を進めていく流れです。
ショベルなどコンクリートの圧砕機を重機に取り付け解体工事を行う工法のことです。鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造などの建物を解体する際に活用されることが多い工法となります。鉄筋・コンクリートに圧力を加え、破砕・切断などを行うため、コンクリートの建物を解体する最もメジャーな工法です。
解体工事でも工法によって流れが異なります。ここでは一般的な流れについて紹介するのでチェックしてみましょう。
建物で作業を行う際、基本的に足場を組み立てることから始まります。騒音・粉塵などを押さえるために防音シートを設置することも多いでしょう。
木造住宅や狭い場所での解体する場合には、手作業での解体から始めます。建具・壁紙・畳・断熱材など建物の内部から撤去を行い、人力で解体できるものは外部の部品も撤去を行います。
人力である程度解体した後は、重機を活用して解体を進めます。屋根・壁・柱だけでなく、基礎や杭なども重機のパワーで一機に解体。この解体工事の際、粉塵も飛散しやすいため水を撒き行うケースがほとんどです。
解体工事を行ったあと不要となった廃材を分別し、ダンプカー・トラックなどで搬出作業を実施します。すべての廃材を搬出したあと、整地を実施。
一般的な住宅などの解体作業であれば、2か月程度を考えておけばいいでしょう。住宅の解体だけであれば1週間から10日ほどで終えることが多いですが、解体業者探し・家の片付け・着工前の手続きなどを踏まえれば2か月ほど想定しておく方が無難です。ただ住宅の規模や周辺環境などでも作業期間は異なるので注意しましょう。
鉄骨造・鉄筋コンクリート造は、基本的に木造住宅よりも解体に時間を要してしまいます。状況によって異なりますが、解体工事だけで2週間から1か月ほどかかることも。そのため鉄骨造・鉄筋コンクリート造の場合は、ゆとりを持った期間を想定しておきましょう。
また解体工事の期間は天候によっても大きく左右されます。解体工事は屋外での作業のため、雨・雪・台風などの天候だと解体工事が遅延してしまいがちです。連日雨などで足元が緩くなれば、重機が動かしにくくなるので一時的に解体作業を中止することもあるでしょう。
住宅の種類や周辺環境などで、解体工事の工法・期間は異なってきます。また解体工事に必要な免許もあるので、しっかりと工法や流れなどを理解し土木施工管理技士としての業務を行っていきましょう。
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