掘削工事は簡単に言うと、地面を指定された深さ・形状に掘る工事のことです。建築工事を行う上では欠かすことができない工事のひとつで、基礎工事の始めの工程で行われており、地上よりも下の部分の構造をつくるために実施されています。一般的に掘削工事と同時に土留め工事・排水作業も行われており、長期間を要する工程となるでしょう。また掘削工事の場合は埋め戻しを行わないという特徴もあります。
地上にある機械とビットという刃先を長く伸ばした掘管で刃先を回転させながら、地層を削りながら掘削する方法のことです。この方法であれば、より深くまで掘ることができ地盤が柔らかなところから岩盤のように硬いとろこまで、図面通りに掘れるというメリットがあります。ただ、やぐらを組む必要があるため比較的大きな規模の掘削工事で活用される方法です。掘削場であれば、基本的にロータリー掘削が用いられています。
泥水に空気を含ませ、泥水の比重を小さくしたうえで低圧層へと泥水が浸入しないように掘削する工事のことです。逸泥対策を講じる必要はなく、地熱井の生産層・還元層に影響を及ぼしにくいというメリットがあります。一般的に空気混合泥水掘削は、硬い地層のケースが多く、ジャーナルベアリングビットが使用されることがほとんどです。
ロータリー掘削を行うときにビット近くにある掘削屑を円滑に除去し、掘削屑を地上まで運搬するために泥水を循環させながら掘削する工事のことです。ジェット上に泥水を噴出するためのノズルが搭載されたビットを活用。掘削屑を取り除く、ビットの冷却・潤滑性の維持、地下にかかる圧力を抑えるなどのメリットが挙げられます。
泥水ではなく空気だけで掘削を行う工事のことです。ロータリー掘削などで活用される泥水を一切活用せず、空気だけを用いるため通常の設備・技術が必要とされます。掘削屑を取り除く工程がないため、コストダウンにつながるというメリットがあります。ただ高圧のコンプレッサーがひつようとなるので、大規模設備を備えなければなりません。
まずバックホウを用いて、地面を掘っていく「1次掘削」作業を行います。既存の土留に合わせて、地面の土を掘削し、掘った土はバックホウでダンプへと積んでいくのです。ある程度の深さまで掘り進めたら土が崩れないように土留の壁を支える切梁を設け、大型の建築物であればクラムシェルが中心の土も地上に運搬できるよう、地上への乗り入れ構台を設けるケースもあります。
1次掘削で掘り進めた位置までバックホウを下ろし、さらに掘削作業を進める工程のことです。1次掘削よりも深く掘削していくため、土をダンプに積むためにはクラムシェルを活用します。1次掘削と同じように土留の壁を支える切梁を設け、掘削した部分が崩れることを予防。
1次掘削・2次掘削の際、掘削の作業時に地盤の状況によっては地下水が湧くことも。その場合には掘削を行う前・中に排水作業もしなければなりません。排水作業をせずに掘削してしまえば、全体が泥のようになり重たくなってしまい、掘削工事にも支障をきたす可能性が高まります。そのため、釜場排水工法・ディープウェル工法などで排水作業を行います。
工事・建設現場・工場などで作業を行う際、大型特殊免許が必要になるケースがほとんど。重量のあるものを持ち上げる、吊り下げる、地番の掘削を行うなどの作業で欠かすことができない資格です。この資格は18歳以上であれば受験することが可能です。
労働安全衛生法で定められている国家資格のひとつで、学科・実技試験に合格すればクレーン運転士免許を取得できます。一定の規模以下のクレーンであれば技能講習や特別教育を受講すれば運転や操作が可能ですが、つり上げの荷重が5トン以上のクレーンを操作する場合はクレーン運転士免許が必須です。
玉掛け技能講習・玉掛け特別教育を修了することで資格取得が可能です。仕事の幅も広がる資格になっているため、工事現場で勤務したいのであれば玉掛技能者の資格取得を検討すると良いでしょう。
掘削工事は建築工事に欠かすことができない工事のひとつです。非常に事故も多い工事だからこそ、土木施工管理技士としての高いスキルが活かせます。
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