外構は建物の周りに設置される構造物であり、外構工事はそのような外構の施工を行う工事です。土木施工管理技士として働く上で外構工事は日常的に考えるものであり、まずはその内容や施工法などを正しく理解することが大切です。
外構工事は外構を設置する工事の総称であり、外構とはビルや工場、住宅など建築物の周囲に存在する構造物を意味しています。
例えば住宅を囲むようなブロック塀やフェンスを施工したり、駐車場のカーポートや建物の外に物置などを設置したりするような工事は全て外構工事として扱われます。また道路から建物の入口までの舗装工事や敷地の高低差を整える土留め工事、水道管の設置や電気関係の設備工事なども同様に外構工事です。
その他、和風建築物の外に庭木を植栽したり景石を据えたりといった工事も外構工事の1種として扱われることがあります。
そのため一口に外構工事といっても実態は様々であることがポイントです。
外構工事として考えられる作業の一例を紹介します。
建物の周囲にブロック塀を設置するためにブロックを積み上げるような工事も外構工事の1つです。
ブロック積みは個人の住宅から工場や商業施設など大規模な建築物まで様々な環境で行われる外構工事であり、単にブロックを積み上げるだけでなく適切に固定させて倒壊や崩落のリスクを防止することも必要です。
現代は化粧ブロックなどデザイン性を意識したブロックを使用することもあります。
ブロック塀の設置と同様に、建物の周囲へフェンスを設置することも外構工事です。
フェンスの設置は目隠しを目的としたものから、土地の境目を示す境界線として設置する場合まで色々なケースがあり、それぞれの状況やニーズに合わせて適切なフェンス設置を叶える必要があります。
フェンスの設置方法も、基礎を必要とする場合やコンクリートブロックを並べて対応する場合などケースバイケースです。
駐車スペースの舗装や道路から入口までのアプローチの整備などを目的として、生コンクリート打設が行われることもあります。生コンクリート打設は土間コンクリートを作る上で必要な工程であり、地盤を掘削したり砕石を敷き詰めたりと土台作りから考えなければなりません。
また規模や設計に合わせた型枠を組み、さらにそこへ生コンを流し込んで美しく整える左官技術も不可欠です。
駐車スペースを設けるだけでは車両に雨や雪が降り注ぐことを避けられません。そのため、車両の保護や駐車スペースの区切りなどを目的として、車両を雨雪や紫外線から守るカーポートを設置するケースも多々あります。
カーポートの設置も外構工事の1つであり、クライアントのニーズや現場の条件に合わせたカーポートの提案や、市販されているカーポートの仕入れといった作業もまとめて外構工事の一環として請け負います。
個人住宅や商業施設などにおいて、テラスやウッドデッキといった屋外スペースを設置する工事も外構工事の1つです。テラスやウッドデッキは建築物本体のデザインや設計に合わせて検討しなければならず、様々なメーカーから販売されているテラスやウッドデッキから適切なものをピックアップしなければなりません。
完全自由設計の注文住宅などであれば、一からテラスやウッドデッキを設計・デザインすることもあります。
外構工事は特定の工事のみを指すものでなく、外構の設置に関する工事の総称です。そのため外構工事を行う上で絶対的に必要な資格などはありません。しかし色々な種類の外構工事があるからこそ、取得しておくことで有利になる資格や役立つ資格があることも事実です。
ここでは一般論として外構工事に役立つ資格を紹介します。
造園施工管理技士は国土交通省が管轄する国家資格であり、施工管理技士の中でも公園や緑地といった場所の造園工事に携わることが特徴です。
造園施工管理技士には1級と2級の区別があり、造園施工管理技士の国家資格を取得しておくことで、それらの有資格者を要件とするような外構工事や公共工事へ参加することが可能です。
業務内容としては施工計画の作成や工程管理、資材管理、作業員の安全管理などが主なものとして挙げられます。
施工管理技士の1つとして、土木工事に携わる専門家としての国家資格です。等級の分類として1級と2級が存在し、その等級に合わせて主任技術者や専任技術者、監理技術者といった役職に就くことが可能です。
大規模な公共工事や土木工事などでは1級土木施工管理技士の存在が要件になっており、2級土木施工管理技士は比較的小規模な土木工事において施工管理を担当できるようになる点が特徴です。
土木施工管理技士の働き方として、国や自治体といった事業の発注者をサポートする発注者支援業務もあります。
エクステリアプランナーは、エクステリアの建設工事業者によって構成される日本エクステリア建設業協会が運営している民間資格です。文字通りエクステリアのプランニングや設計、工事管理などについての技術や知識を有するプロに認められる資格であり、外構工事に関与する専門家として客観的にスキルを示すことが可能です。
エクステリアプランナーには1級・2級が区分されており、2級であれば誰でも受験ができます。
建築コンクリートブロック工事士は、文字通り外構工事において重要なコンクリートやブロックに関して専門知識や技術を備えた人に認められる資格です。エクステリアプランナーと同様に日本エクステリア建設業協会が取り扱っている資格であり、コンクリートブロックの施工に関して材料や構造、原価管理など全般的な知見が求められます。
建築コンクリートブロック工事士は1級エクステリアプランナーやブロック塀診断士の受験要件としても有用です。
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