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盛り土工事

こちらでは、盛り土工事について解説しています。工事の内容や目的、4つの施工手順、おさえておくべき注意点などをみていきましょう。

盛り土工事とは?

土砂を盛って地面と平らにしたり、地表面を高くしたりする工事です。地面に土を盛るので、盛り土工事をすると、どうしても地盤が不安定になりがちです。そこで、建設用の機械を使って、地盤を頑丈にするために、締め固めなどをおこなう必要があります。

盛り土工事のおもな施工現場としては、山地や丘陵地、海沿い、河川沿いなどがあげられます。いずれも平坦ではない土地です。道路工事のほか、住宅の造成工事や河川の護岸工事、ダムの建設工事などが該当します。

盛り土工事の目的

【1】上載荷重を支える

建築作業に際しては、それを支える地盤は平らでなくてはなりません。盛り土工事によって平らに仕上げ、建物などが傾いたりすることのないよう、上載荷重を支えられうようになるわけです。

【2】床上浸水を防ぐ

台風や大雨によって河川の氾濫が発生すると、床上浸水のリスクが高まります。床上浸水は、住宅にかなりのダメージをあたえるため、なんとかして被害に遭うのを避けたいところです。盛り土工事で地盤の標高をあげておけば、床上浸水のリスクをおさえやすくなります。

【3】外からの視線を遮る

道路に面している住宅や交通量が多いエリアにある住宅は、外を歩く人の視線が気になります。視線を遮るには、家を建てる前に盛り土工事で地盤を高くしておくのもひとつの方法です。

盛り土工事の流れ

盛土工事の一般的な流れは、次のとおりです。

【1】測量

適した工事をするために、土地の形状を正しく把握し、工事計画書を作成しておくことが大切です。そのためには、測量と、場合によっては地盤調査もあわせて実施します。を正確に把握し、適切な工事をするために行われるのが測量です。

【2】整地作業

整地作業とは、構造物や住宅などを解体して、土地をきれいな状態に戻す作業のことです。解体工事終了後、切り株が残っている場合には、それを取り除く作業も必要です。伐根処理を実施するケースもあります。

【3】土砂の運搬

使用する土砂の運搬作業に移ります。ダンプトラックを運行させる必要があるため、騒音や土埃、安全性などの問題があります。ですので、近隣住民や周辺環境への配慮が欠かせません。

【4】敷均し/締固め

仕上げ作業になります。まずは「敷均し」をおこないます。これは、盛った土砂の厚みを調整する作業です。そのあと、土を密な状態にするために、締め固めをします。専用の建設機械を使って、敷均しをした部分を締め固めていきます。

盛り土工事の注意点

整地作業における注意点

整地作業をおこなう際に、資材の搬入を問題なく実施できるかどうか、そして建設機械の導線がしっかりと確保できるかどうかを考えておくことが大切です。特に、土砂の搬入方法はケースバイケースで適したものを選択する必要があります。

そして、重機の導線確保は、安全に工事をおこなうために必ずおこないましょう。「ダンプトラックと重機の動線を重ねない」「コーンで作業範囲を明示する」「指揮者を配置する」などは特に重要です。

土砂の運搬作業における注意点

ダンプトラックで土砂を運搬するときのルート上に住宅街がある場合は、騒音や安全性に関する問題について考える必要があります。トラブルが起こらないようにするためにも、隣住住民や学校などに、作業時間をあらかじめ知らせておくことが大切です。また、予定通りに工事を実施すると危険性が高いと考えられる場合には、ルートを変更するなどの対応が求められます。

水対策における注意点

水対策にしっかりと注意を払うことが大切です。盛土材の含水率が高いと、締め固めができなくなってしまうので、仕上がりの品質の低下につながります。ですから、盛り土材料の含水率を下げるために、排水経路を確保しておくことが求められます。排水がしっかりとなされれば、早期に盛土材を乾かし、盛土路盤の動きを抑制できるようになります。

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