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さく井工事

さく井戸工事について、工事内容、この工事をおこなうことで得られるメリットを解説。また、工法や工事を進める際の手順についてもあわせて紹介しています。

さく井工事とは?

井戸づくりやその工事に必要となる揚水設備の設置をおこなう作業のことを、さく井工事といいます。ボーリング工事とよばれる場合もあります。さく井機械などを使用して、さく孔やさく井をおこないます。さく孔は、爆薬で爆破破砕させる工事です。さく井は、井戸を掘る作業を意味します。

さく井工事で非常時にそなえられる

さく井工事は、災害が起こった時のための備えとしても、大きな意義がある工事です。「井戸」というと、業務に用いられるものであるというイメージが一般的になりましたが、東日本大震災後の日本では、災害対策の一環として井戸を家庭用に設置する人が増加しているようです。

災害時、ライフラインである水道が機能しなくなっても、地下水を利用できる井戸があれば、水を手に入れることができるでしょう。定期的な水質検査を実施する井戸であれば、水は飲用としても使用できます。

さく井工事で水道代をおさえられる

井戸があれば、電気料金や水道料金をおさえることも可能です。特に、大量の水を使用する工場などでは、水道の水だけを利用すると、水道料金がかかりすぎてしまいます。その場合に、地下水を併用することでコストをおさえるという考え方です。もちろん、さく井工事をおこなえば工事費用がかかりますが、一定期間使用を続けることで、トータルを安く済ませられるようになるケースは少なくありません。

さく井工事で使用する工法

さく井工事で採用されるおもな工法は、次の3つです。

ロータリー工法

「トリコンビット」という刃先を機械に設置します。それを回転させて、切削および破砕しながら地層の掘削をおこなう工法です。さまざまなタイプの地層に対応できるのが特徴です。未固結堆積層からかなりの硬さがある岩盤まで掘削可能です。また、大深度の掘削にしばしば採用される工法としても知られています。

パーカッション工法

長くおこなわれてきた工法のひとつです。どちらかというと、やわらかい地層の工事に向いています。ワイヤーロープの先端に掘削ビットを設置し、ロープを上下させながら掘削していく工法です。

エアーハンマー工法

規模が小さい工事に向いている掘削工法です。エアーハンマーという名称のとおり、圧縮空気を送り込み、先端部の掘削ビットを動かし、打撃力で掘削をおこなうのがエアーハンマー工法に用いられている原理です。ケーシングと掘削作業を同時進行させられるので、工事にかかる時間を短縮することが可能です。短縮すると、その分工事にかかるコストもおさえやすくなります。メリットの多い工法だといえるでしょう。

さく井工事の流れ

一般的なさく井工事の流れは、次のとおりです。

【1】掘削作業

さく井機械を掘削位置に設置し、目的の深さに達するまで掘削を続けます。

【2】電気検層(エアハンマー工法以外)

地層の性質・層の厚み・帯水層の位置・浸透性などの検査をおこない、スクリーンの位置を知るための検査を行います。この検査によりスクリーンの位置を決定します。

【3】ケーシング挿入

ケーシングを挿入し、隙間に洗砂利を充填します。ケーシング内の洗浄も忘れずにおこないます。

【4】揚水試験

地下水をくみ上げ、井戸の能力や帯水層の性質を調べる試験をおこないます。試験で得られたデータをベースにして、ポンプを選定したり揚水設備を設計したりします。

まとめ

ボーリングマシンを使用するなど、さく井工事は、危険をともなう工事のひとつです。安全対策を徹底させたうえで作業を進めていくことが求められます。事故が起こらないように現場の状況を把握しなくてはならないので、現場監督としての土木施工管理技士に求められる責任も大きいでしょう。

ですから、施工管理の資格をとって建設や土木現場で活躍していきたいと考えている方は、こういった工事に関する知識を身に付けておくことで、仕事における視野を広げていくことにもつなげられるはずです。

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