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遠隔臨場

遠隔臨場とは

遠隔臨場とは、ネットワークカメラやウェアラブルカメラなどを利用し、離れた場所から臨場を行うこと。ネットワークカメラとは、インターネットの接続できるカメラのことで、LANケーブルでネット機器につなげて使用します。ウェアラブルカメラとは、体の一部(主に頭部)に装着できる小型カメラのことで、ハンズフリーでカメラを動作させられるため、作業員は安全に作業をしながらカメラ撮影することができます。

なお国土交通省は、遠隔臨場の定義として「材料確認・段階確認・立会を遠隔で行うこと」としています。

遠隔臨場の仕組み

作業員が現場でウェアラブルカメラやネットワークカメラを活用することで、本来であれば現場に行くべき遠方の人(発注者など)に対し、現場の状況を正しく伝えることができます。

たとえば、現場で正しい材料を使っているかどうかを発注者がチェックしたい場合、作業員から現場の材料の映像を配信してもらいます。これにより、発注者は現場まで足を運ぶ手間を省くことが可能となります。発注者は、配信されている映像を録画することもできます。

遠隔臨場の課題

システムの導入コストが大きい

遠隔臨場を導入するためには、ウエラブルカメラやネットワークカメラ、録画機器などの環境を整えなければなりません。通常はリースやレンタルを利用することになりますが、その導入コストが決して安くない点は現状の課題となっています。

IT関連の操作に不慣れな作業員がいる

遠隔臨場で使用する機器の操作は、基本的には難しくありません。ただし中にはIT関連機器の操作に不慣れで、使用に抵抗を示す作業員もいることもあるでしょう。システムをスムーズに稼働させるため、事前の研修を丁寧に行う必要があるかもしれません。

通信手段の確保が難しい現場がある

現場がトンネル内だったり人里離れた山の中だったりした場合、通信電波が届きにくくなる恐れがあります。音声や映像が途切れると困るような現場においては、事前に通信環境を確認のうえ、いつでも熟練者がサポートできる体制を整えておく必要があるでしょう。

作業員のプライバシーに配慮する必要がある

録画された臨場映像を研修等で使う場合、映像内には本人の許可なく作業員が映りこむことがあります。映像に映りこむ可能性があること、また、研修などで不特定多数の従業員が映像を閲覧する可能性があること等を、事前に社内全体へ浸透させておいたほうが良いでしょう。

遠隔臨場のメリット

遠隔臨場の主なメリットを4点ほど見てみましょう。

多くの工事関係者の移動時間・移動コストが削減される

工事現場には、本来、多くの工事関係者の頻繁な臨場が必要となります。そのために要する移動時間や移動費は決して少なくありません。遠隔臨場を活用すれば、これらの時間やコストを、ある程度削減することができます。

効果的な人材育成が期待できる

遠隔臨場を通じ、現場における難度の高い作業を若手に見せながら指導することで、効果的な人材育成につながる可能性があります。様々な臨場映像を録画しておけば、研修材料としても有効に使えることでしょう。

工事の安全性が向上する

ウェアラブルカメラやネットワークカメラを活用しながら作業をすれば、急な天候の悪化などを遠隔でも察知することができるため、工事の安全性の向上が期待できます。万が一、現場で自然災害等が発生した場合でも、ネットワークカメラが作動していれば、迅速に適切な対応をすることができるでしょう。

建設業界の人手不足解消に貢献する

団塊世代が抜けたことも背景に、建設業界は著しい人手不足に悩まされています。遠隔臨場によって全体の作業効率が向上すれば、多少なりとも建設業界の人手不足の解消に貢献することでしょう。

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