このページでは、建設業界においてCADデータの活用性を向上させて業務の効率化へつなげるIT技術として「IFC形式」についてまとめています。IFCを使ったBIMデータの活用などメリットを解説していますので参考にしてください。
IFC形式とはCADデータを運用する際に使う拡張子(ファイル形式)の1つであり、「Industry Foundation Classes:建設業界における共通ファイル形式基盤(意訳)」の頭文字を取った用語です。
IFC形式はBIMデータを利用するために使われている拡張子です。国際的な共通規格として、日本を含めて世界規模でネットワークを構築している団体「buildingSMART」によって策定されました。
IFC形式を活用することでCADモデルのデータ共有が簡略化され、建設業界における電子データ共有や保守管理などを効果的にサポートできるようになっています。
なお、日本では一般財団法人buildingSMART Japanが設立されており、日本国内におけるIFC形式の普及や支援を行っています。
一般財団法人buildingSMART Japanは非営利法人として活動している団体です。buildingSMARTが世界各国へ展開している国際支部の1つになっています。
buildingSMART Japanは日本の建設業界を中心として、IFC形式の標準化活動や建設業界における作業の効率化、建設業者のDX化と業界全体の発展といった活動目標のために活動しており、IFCの利用向上やユーザーのスキルアップを支援するために民間資格として「IFC検定」も実施しています。
IFC検定は建設業界のIT化やDX化に関連した資格であり、CADエンジニアや技術者としての実力を客観的に示す指標としても利用可能です。
BIMは「Building Information Modeling:ビルディング インフォメーション モデリング」の略称であり、建設業界において使用される3Dモデルデータです。
BIMは建築物の形状やサイズ・構造・仕様・あるいはコストといった各種情報をパソコン上で3Dモデルとして構築されたデータであり、世界各国の建築業界において標準的に使用されているデータモデルです。
従来のCADでは3Dオブジェクトのみを共有することが中心でしたが、BIMが普及したことにより複雑な情報共有もスムーズに行えるようになりました。
そしてIFC形式は、そのようなBIMデータを利用するために国際的に標準規格として策定されたファイル形式です。
IFC形式によってBIMデータとして保存・共有できる情報としては以下のようなものがあります。
2DCADや3DCADによって作成された図面や立体モデルは、建築物の設計やデザインを共有するために活用されてきましたが、その他の関連情報については別途データとして共有することが一般的でした。しかしBIMデータが開発されたことで建築・建設に関連した情報が一元管理しやすくなり、情報共有やプランニングの効率化が実現されています。また国際規格としてIFC形式が普及することで、一部のエリアやグループだけでなく世界規模で必要な情報を共有しやすくなりました。
IFC形式の課題として今後の解決が目指されているものの1つが、様々なBIMソフトとの互換性です。IFC形式との互換性のないBIMソフトや古いバージョンのものを使っている場合、必要な属性情報の一部が欠損したり、データ共有が十全に行われなかったりする恐れがあります。
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