建設機械の自動化や遠隔操作技術の実装に向けて、2021年秋より国土交通省と関係省庁とが連携し、建設現場の自律化を目指すプロジェクトを本格稼働させています。
建設現場における遠隔操作については、すでに一部の現場で実用化。この流れを標準化させることを皮切りに、より高度な技術とされる重機の自動運転・自律運転の早期実装を目指す方針です。
2024年には時間外労働の罰則付き上限規制」が予定されていることから、ここからの逆算で、重機の自動運転化のプロジェクトを急ピッチで推進。早い段階で建設現場の働き方改革を実現させる予定です。
重機の自動運転化が建設現場作業員の働き方改革に役立つことに加え、現場においては、主に次の2つの理由で重機の自動運転化の実現が望まれています。
工事現場における重機の操作技術は、一朝一夕の訓練で習得できるものではありません。単に運転方法を知っているだけでは全く役に立たず、条件の悪い地面における繊細な操作技術を習得する必要があるなど、一人の熟練者を養成するために長い年月やコストがかかります。
一方で、AIなどを駆使した重機の自動運転化が実現すれば、熟練者に匹敵する操作性を持つ重機を、スピーディに何台でも現場へ投入することができるようになるでしょう。
ご存じの通り、建設工事は常に危険と隣り合わせです。たとえ熟練の技術者であっても、何らかの不幸な条件やちょっとしたミスが原因となり、大きな事故へと巻き込まれるリスクがあります。
重機の自動運転化が実現すれば、人間では分からない各種の悪条件をタイムリーに察知。AIの搭載で操作ミスの激減も手伝って、工事現場における安全性の向上が期待できるでしょう。
重機自動化のメリットには、上述した「働き方改革につながること」「重機の熟練者を養成しなくても良いこと」「工事現場の安全性が向上すること」などを含め、挙げれば実にたくさんあります。中でも特に大きなメリットとして押さえておきたいのが、建設業界における人材不足の解消です。
いわゆる団塊の世代が現役を退いたことで、社会における労働人口が一気に減少しました。あわせて、現在の少子化に鑑みるに、近い将来の労働人口の激減は避けられません。
どの業界でも人材不足問題を抱えている中ですが、特に深刻な業界が建設。国土交通省等が力強く推進するインフラ整備事業に逆行するように、日本では建設業界の人材が著しく不足しています。
人を増やすことができない以上は、人と同じ働きをする機械を増やすしか方法はありません。重機の自動運転化は、人材不足の建設業界における救世主となる可能性があるでしょう。
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