今後も導入の加速が予想される建設RXコンソーシアムとはどのようなものなのでしょうか?土木工事に携わる土木施工管理技士が知っておきたい建設RXコンソーシアムについて解説します。
建設RXコンソーシアムとは、建築現場などで使用される施工ロボット、IoTアプリといった施工支援ツールなどの開発を複数の企業が連携して行う取り組みを指します。
建設RXコンソーシアムの目的は大きく分けて2つあります。1つ目は、作業環境を改善することで若者を含めた労働力の確保があげられます。2つ目に、施工系の人材が不足しているのを解消することでしょう。
建設業は、残業時間が多い反面、収入がそこまで高くないのが課題。2024年4月に残業規制が導入されることもあり、生産性向上のためにデジタル化や自動化への取り組みが模索されています。
そこで、本来はライバル関係にある建設業界の技術者同士が連携して協業を目指す新しい取り組みがスタートしているのです。これによって、3Kイメージが強い土木・建設業界のイメージ刷新や魅力アップを図る狙いが込められています。1社のみならず、多くの企業が協力することで開発コストも軽減できるでしょう。
建設RXコンソーシアムの2022年7月15日時点での25社の正会員をご紹介します。
協力会員も76社在籍しています。
建設RXコンソーシアムの取り組み事例として、竹中工務店が展開する「COT―Lab(コトラボ)」をご紹介しましょう。
建設業ではない異業種やスタートアップ企業などとも協業して行っているのが特徴。狙いは、技術・事業開発によりデジタル変革(DX)に対応することと、脱炭素社会へ転換することです。都内および大阪に技術者が中心となった10名程度を有するサテライト拠点を3ヶ所設置。海外の研究拠点展開も視野に取り組んでいます。
具体的な活動としては、東京にあるCOT―Lab大手町では、まちづくり関連の事業者およびイノベーション企業と連携し、大丸有エリアで実証、実装。COT―Lab新橋では、Society5.0時代におけるオフィスの創造からオープンソースに基づくIT関連技術、建設DXの創造に取り組んでいます。さらに、大阪のCOT―Labグランフロントでは、スマートシティ関連サービス事業者、要素技術開発者との共創を関西エリアで実証、実装に取り組んでいます。
土木・建設現場において、業務を効率的に進めるためにさまざまな改革やツール開発が進んでいます。事例でもご紹介した通り、業種を超えた連携や新旧入り混じった協業で、新たな取り組みを模索する昨今、土木施工管理技士も情報にアンテナを張っておくことが大切でしょう。
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建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで22年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2024年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2024」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。