ゲームやアトラクションなどでよく使われているVR(バーチャル・リアリティ)ですが、近年では、建設現場でもVRが広く導入されるようになってきました。 建設現場における主なVRの活用方法を2点ほど見てみましょう。
設計にしたがってVR化することで、建築に着工する前に、建造物が完成した後の様子を体感することができます。平面図だけでは分かりにくかった建造物の立体感を体感することができるので、建造物が完成後に「イメージとは違っていた」というクレームが生じにくくなるでしょう。
危険な場所に足場を設置して作業をする場合、事前にVRで足場を再現し、上下左右から足場を確認することで、より安全な足場作りに役立てることができます。足場以外にも、平面図では気づかなかった様々な盲点が見つかるなど、VRは工事の安全確保に大いに役立ちます。
建築現場にVRを採用する主なメリットを5つほど見てみましょう。
設計図や計算式、文字データ、口頭の説明などに比べると、VRによる3D映像のほうが、より正確かつスピーディなイメージ共有につながることは言うまでもありません。作業員ごとの理解のレベルも、おおむね標準化されることでしょう。
社内の関係者はもちろんのこと、社外の工事関係者においても、VRの3D映像を通じた方法のほうが、工事のイメージを共有しやすくなります。工事関係者全体で正確に工事のイメージを共有していれば、全体のコミュニケーションが円滑になることでしょう。
危険な可能性がある場所に関しては、実際にその場に行かずとも、VRを活用することで現場を体験することが可能です。事故発生のリスクを事前に予見できれば、現場作業の安全性向上が期待できます。
現場経験の乏しい若手を育成していくためには、膨大な手間や時間、コストがかかります。VRを研修に活用することで、これらの手間、時間、コストが大幅に削減されることでしょう。口頭による指導よりも、VRのほうが高い教育効果を得られる可能性があります。
各種資料を使った従来型の説明とは異なり、VRを活用すれば、立体的な映像で完成後の建造物を体験することができます。完成後に「こちらのイメージとは違っていた」というクレームが生じる可能性は、限りなくゼロに近づくことでしょう。
建設現場にVRを採用する際の注意点を2点ほど見ておきましょう。
VRのコンテンツを作るためには、ある程度の専門知識・技術が必要となります。ソフトウエアを使って撮影した映像の編集することなども考えると、1つのコンテンツを作るために、かなりの手間や時間がかかることを承知しておかなければなりません。場合によっては、専門の業者に外注する必要が生じる可能性もあるでしょう。
新しいシステムを導入する以上は、初期費用がかかることを避けられません。VRにおいては、ヘッドマウントディスプレイやゴーグル、その他の専用機器など様々なアイテムを取り揃える必要があるため、最低限の一式を導入するためには30万円超の初期費用が必要となるでしょう。もちろん、長い目で見て得られるメリットを考えれば、決して高い出費ではありません。
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