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バーチャート工程表の作成

土木・建設工事でひんぱんに使用されるアイテムに、バーチャートやガントチャートなどがあります。いずれも、施工管理に必要な工程表です。

こちらでは、納期までに工事を完了させる上で重要な役割を果たすさまざまな工程表のうち、バーチャートを中心に解説していきます。バーチャートが持つメリット・デメリットもあわせて紹介しているので、土木施工管理技士の仕事への理解を深めるためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

バーチャート工程表とは

縦軸に作業項目を、そして横軸には日付・時間を、それぞれ入力して使う工程表です。作業と日時を入力するだけなので、作成するのが簡単です。しかも、シンプルな表なので、視覚的にもストレスなくスケジュールを把握することができます。

バーチャートとガントチャートの違い

バーチャートと異なり、ガントチャートは、作業の日時に関するスケジュールではなく、作業がどのくらい進行しているのか、その進捗状況を把握するための工程表です。縦軸はバーチャートと同様に作業項目を、そして横軸は、日時ではなく進捗率を表します。

ガントチャートは、ある作業がいつスタートし、そして終わるのかについての表示はありません。けれども、現時点の段階で、トータルの工程においてどのくらいまで作業が進んでいるのかを一目で知ることができます。そのため、ガントチャートは、多くの作業を並行して進めて行かなくてはならないようなケースにおいて、その効果を発揮しやすい工程表だといえるでしょう。

また、遅れが発生している作業に気づきやすいという特徴もあります。遅れにできる限り迅速に対応する必用がある場合には、ガントチャートの利用がおすすめです。

バーチャート工程表のメリット

バーチャート工程表が持つおもなメリットとして、次の4つがあげられます。

【メリット1】情報共有が容易になる

どの作業をいつ実施するのかが人目でわかるので、工事のスケジュール管理に役立ちます。作業を終えるまでの所要日数を明確にしておくことは、建築工事においてはとても重要です。施工主とスケジュールをシェアする際にも重宝するはずです。

【メリット2】効率アップにつながる

バーチャート工程表をしっかりと利用することで、各作業の担当者や職人さんとの打ち合わせなどもスムーズになります。これは納期の短縮や不必要なコスト削減を図り、スムーズに工事を進めるためには大切なポイントです。次の月に何件の工事を請け負うキャパがあるのか、といったことも、現状から判断しやすくなります。

【メリット3】作成に手間がかからない

作成が簡単であることも、大切なメリットのひとつです。縦軸と横軸のみから構成される工程表であるため、特殊な図形の作成などは必要ありません。あまり経験のない作業監督であっても、問題なくバーチャートを作成することが可能です。

【メリット4】修正しやすい

シンプルな工程表であるがゆえ、その管理や修正も簡単です。工程に修正を加える必要が生じた場合にも、バーチャートに表示されているバーを移動させるだけでOKです。作業日程の変更は決してめずらしいことではありませんので、修正を簡単におこなえることも、大きなメリットだといえます。

バーチャート工程表のデメリット

メリットの多いバーチャート工程表ですが、おさえておくべきデメリットもあります。それは、実際の現場での工事の進捗状況を確認することができないという点です。そのため、同時進行している複数の作業における工程の関連性などを把握するのが難しいです。そのため、あまり複雑な工事や、長期にわたっておこなわれる予定の工事を管理する工程表としては、バーチャートは不向きです。

バーチャート工程表の作成手順

【手順1】作業の書き出し出し・並び替え

作業の洗い出しをおこないます。抜けがあると、正確な工程表になりませんので、注意が必要です。洗い出しが終わったら、日程をイメージしながら、おこなう順に並べていきます。

【手順2】各作業の所要日数を設定

それぞれの作業にどの程度の日数が必要であるかを考えましょう。このとき、ギリギリに設定すると、作業の担当者にあせりなどを障子させる原因となるので、余裕をもたせて設定することが大切です。

【手順3】職人さんやスタッフの配置

担当者の割り当てをおこないます。一人に業務が集中しすぎないように注意しましょう。

【手順4】日程を入力

最後に、横軸へ日付の入力をおこないます。このとき、日数に余裕を持たせているかどうかを再び確認するようにしましょう。

まとめ

土木施工管理技士にとって、土木工事や建設工事の現場を適切に管理するためには、バーチャートをはじめとする工程表などの資料管理も重要な業務のひとつです。工事の性質を見極めた上で適切な工程表を選択し、必要があれば修正を加えて工事を安全かつスムーズに進めることが求められます。

決して楽な仕事だとはいえませんが、工事の状態を見極め、管理していく立場に立つことで、大きなやりがいも感じられるはずです。

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