土木施工管理技士は建築計画や施工予定に関連して色々な書類を作成し、工事計画の進捗や状況管理を適正化しなければなりません。このページでは、土木施工管理技士が作成する書類の種類や内容について解説しています。
土木施工管理技士が作成する書類の1つとして、施工の予定やスケジュール、工事計画に関して記録・共有するための書類が挙げられます。
そもそも建築工事は最初に様々なプランニングやスケジューリングを行って綿密な計画を立てて、実際の工事はその計画に沿って実施していくことが重要です。そのため、建築工事の進捗管理を行うには、前提として施工の予定や計画についての情報が書類としてきちんとまとめられていることが必要です。
施工予定や工事計画に関する書類があるとして、実際にどのような工事や作業が行われているのか記録しておかなければ、計画と実作業の齟齬をチェックすることができません。
そのため土木施工管理技士は工事現場で実際に行われた施工記録についても適切に管理し、書類やデータとして保管しておくことが必要になります。
また施工記録に関して単に情報をまとめるだけでなく、その他の資料や書類と相互参照して問題をチェックできるようにすることも大切です。
建築工事を請け負う場合は必ず施主や依頼者と、受託者や業者との間で請負契約が締結され、その証拠として契約書が作成されます。また、工事の途中で契約内容が変更になった場合も、それらの契約変更に関する内容を全て書類として保全し、情報共有を行わなければなりません。
工事計画やスケジュール、予算管理などは全て契約書の内容にもとづいてマネジメントしなければならないため、契約書については正しく作成して、施工後も一定期間の保管を厳守することが不可欠です。
施工計画書は工事計画の要になる書類であり、工事全体のスケジュールや流れといったプラン全体についてまとめられている計画書です。
実際の施工や作業は施工計画書にもとづいて実行されなければならないため、土木施工管理技士は施工計画書を正しく作成していない場合、後々になって様々な問題が生じるリスクも増大します。
また施工計画書にはスケジュールだけでなく工法や組織、環境など諸情報も網羅しておかなければなりません。
施工計画書の内容にもとづいて正しく工事作業を実行しているのか、工程管理表を作成して日々チェックしていくことも大切です。
工程管理表はどのような手順や方法によって施工していくかという点がまとめられており、適切な順序によって工事作業を進めていくための案内役ともいえるでしょう。また、工程管理表によって細部の工程や順序をチェックすることにより、作業ミスや確認漏れといったヒューマンエラーを防止することにも役立ちます。
工事計画ではあらかじめ予算が設定されており、資材や人件費など様々なコストを予算の範囲内で抑えながら予実管理を適正化していかなければなりません。
しかし大規模な工事になるほど工期も長くなり、その間に建材や資材、人件費の変動があることも考えられます。そのため予算管理では最初にコストをシミュレーションするだけでなく、常に業界や市場の相場を把握しながら実費を管理して今後のコストバランスを考えていくことが求められます。
施工体制台帳は、工事に関与する組織や会社の役割や情報などを網羅した名簿のようなものといえるでしょう。
小規模な建築工事であれば全ての工程を自社一貫体制で行うこともあるでしょうが、大規模な工事になれば元請けや下請け、孫請けなど様々な会社や組織が参入して連携しながら作業を進めます。そのため施工体制台帳を最初に作成しておくことで現場全体の連携を強化し、また不適切な業者やリスクが入り込んでいないか管理することも可能です。
安全点検表は、日々の作業におけるチェックポイントやリスク要因などをまとめておき、注意すべき内容を作業員と共有するための書類です。
建築工事では常に事故やエラーのリスクがあり、トラブルが発生すれば作業員や作業機械に損害が出るだけでなく、工期やコストにも大きな悪影響を及ぼします。そのため安全安心な作業環境を構築することは施工管理技士として必須であり、安全点検表を作成して安全意識を啓蒙していくことで、リスクマネジメントを適正化します。
土木施工管理技士はそもそも現場で全体をまとめなければならず、また施主や各業者などとの橋渡しも行わなければならないなど、ただでさえ業務負担が大きくなりやすいことが重要です。
そして各種書類の作成や管理はそれらの日常業務と並行して実施しなければならない事務作業であり、さらに想定外の事態が発生すれば書類の内容を刷新したり新しい書類を作成したりしなければならないこともあるでしょう。ましてや書類の種類や量は工事規模が大きくなるほど増えていき、管理する書類が増えればチェックするだけでも相応の業務負担になってしまいます。
書類の書式や仕様をテンプレート化したり、ICTやIoTの導入と合わせてペーパレス化したりと負担軽減に取り組んでいる企業も増えていますが、やはり業界全体で見れば大変な作業になりがちです。
発注者支援業務は、公共事業を発注する国や地方自治体の業務をサポートする仕事です。
国や自治体では様々な公共事業を計画して予算を策定し、また実際の作業においても適切に実施されているのかチェックしなければなりませんが、それらの作業には当然に土木工事などについて専門知識や経験を有する人物の関与が必要となります。そのため既存の公務員だけでは対応困難な場合も少なくありません。
発注者支援業務は受注者の側でなく、発注者の側で公務員や行政を支援する業務であり、発注者支援業務に携わる土木施工管理技士は公務員とほぼ同じペースで働くことができます。そのため仕事量や残業時間などで悩んでいる人にとって、多様な働き方の選択肢として注目されています。
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株式会社ティーネットジャパンは、公共事業の計画・発注をサポートする「発注者支援業務」において日本を代表する建設コンサルタントです。
建設コンサルタントにおける『施工計画、施工設備及び積算』部門の売上げで22年連続業界1位を獲得(『日経コンストラクション』2024年4月号「建設コンサルタント決算ランキング2024」)。主に官公庁の事務所に拠点をおいた業務のため、官公庁に準じた完全週休2日制。ゆとりある環境です。