スムーズに工事を進めるための重要業務、現在は電子化も進む
発注者対応とは工事が始まる前から完成まで、発注者とさまざまなやりとりを行う業務で、工事をスムーズに進めるためにとても重要です。 発注者とのやりとりは着工前の準備段階から始まります。費用、工期、仕様などを事前にしっかりと打ち合わせしておかなければスムーズな工事はできません。
工事中もさまざまなやりとりが発生します。現場状況による設計との不一致が発生すれば、発注者に確認してもらう必要があります。迅速かつ正確な報告・連絡体制をしっかりしておかないと確認が遅れ、業務がストップしてしまうことも。方針や指示の確認、情報や意見の交換など、相手の意を汲むことも求められ、発注者と密なコミュニケーションをとるため、営業に似たスキルも必要になります。営業を経験したことがある方には向いている業務かもしれません。
公共事業などの土木工事では、CALS/ECというシステムを使って受注者とやりとりすることもあります。CALS/ECは「公共事業支援統合情報システム」の略で、FAXや封書などの紙媒体で行っていたやりとりをデータ化してインターネット経由で情報共有するシステムです。情報の共有スピードを上げることで業務効率を改善し、労働時間の短縮にもつながる取り組みです。
工事の関係者が常に最新情報にアクセスできることで、やりとりの行き違いによる間違いなどを防ぎます。また、施工技術や管理するための技術などもデータベース化し共有するという取り組みも進んでいます。
国土交通省をはじめとする国家レベルから、地方公共団体まで普及が進んでいます。公共事業に関わることがあれば、扱う機会があるかもしれません。
「発注者」と「受注者」の関係となった場合、パワーバランスが偏る場合があります。時には、発注者の指示が少ない状況下で現場判断をしないといけない事態もあるかもしれません。その判断や行動が後々のトラブルにならないよう注意が必要です。
発注者は標準的な施工にかかる費用にて工事を発注し、受注者は自身の技術を以て成果を収める関係にあります。発注者の要求や要件を満たすことは必要ですが、基本的に双方対等な立場にあります。対応が難しい場合には協議を行うなど、双方合意の下で工事を進めることが重要です。
また、工事中のやりとりでは口頭や電話での確認事項なども増えてきます。指示や日程など、重要な内容を口頭だけで済ませると後で「言った」「言わない」の問題に発展することもあります。後々「勝手な判断」「不要な行動」とならないよう、重要な事柄は必ずメモを取り、複写してお互いに保管する、後からメールで形に残しておくなど、双方が確認できるようにしておくのが良いでしょう。
発注者とは様々な協議、交渉を重ねながら工事を進捗させていきます。ここでもっとも重要なのは交渉テクニックや話術もそうですが、人と人との付き合いでの基本となる良好なコミュニケーションです。心を込めた対話によって信頼が生まれます。これは一般社会でも同様であることは言うまでもありません。
更には定例の連絡を欠くことなく行ったり、何か会った際には迅速且つ正確な報告を行うことも信頼度が増す行為です。こうして信頼関係を構築することで、すべての協議、交渉がスムーズに進むことになります。
発注者であっても施工者であっても良好なコミュニケーションは不可欠です。
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