土木工事における管理業務のひとつである出来形管理を解説しています。出来形管理で何をおこなうべきか、そしてその方法や管理計画表などについてもみていきましょう。土木施工管理技士として建設業界でステップアップしていきたいと考えている方にとって、土木工事の「施工」だけでなく「管理」に該当するさまざまな仕事内容を把握しておくことも大切です。ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
土木工事の管理の仕事のひとつである出来形管理。「出来形」とは、建設中の構造物のうち、完成した部分のことを意味しています。土木工事の途中経過で管理業務が発生するのは、工事が完成するまでには長い時間がかかるケースが多いから。長期にわたるプロセスをすべてこなしてからするのでは、確認ができなくなってしまう部分がどうしても発生するので、途中経過での確認が必要になるのです。
いくつかに区切られた作業がひとつ終わるたびに確認し、管理するのが出来形管理の作業です。
建設中の土木構造物が、打ち合わせどおりに、そして契約条件に沿って施工がなされているかどうかを確認します。その結果、発注者の意図する規格基準をクリアしてない部分が見受けられる場合には、なぜそうなってしまったのか、その原因を明らかにしていきます。そのうえで、施工方法の改善を図るのが重要なポイントです。
測定基準にしたがって測定し、その結果の数値と、設計図書に示されている数値を比較していく管理方法です。設計図書で定められている許容範囲内に、測定悔過がおさまっているのかオーバーしてしまっているのかを把握できるのが特徴。ちなみに、測定結果は「出来形管理総括表」「測定結果一覧表」「出来形管理図表」などに記録します。
土木工事が完了したあと、そこを破壊しない限りは見て確認できなくなってしまうような部分のことを「不可視部分」といいます。出来形が不可視部分である場合には、不可視化される前に撮影し、画像として残しておくのも大切な作業。工事完了後でも確認可能な状態にしておく必要があるのです。
測定基準に基づいて管理箇所を選定する方法が一般的です。とはいえ、測定基準をただ機械的に適用するのではなく、地形や構造の変化点などにも留意しつつ選定することが求められます。また、出来形管理は、発注者に建築物を引き渡すために必要なデータです。その点を念頭において、管理方式を検討し、管理計画表を作成することが大切です。
出来形管理は、管理計画表をあらかじめ作成しておき、それに基づいて実施することが大切です。また、出来形管理を実施する際には、計画したとおりに進められているかどうかを照査できるようなシステムも必要です。
計画表を作成するときには、以下のような点に留意するようにしましょう。
土木工事には、一旦作業を進めてしまうと、後戻りするのはなかなか難しいという性質があります。ですから、全体の作業をいくつかに区分けして、ひとつの作業が進むごとに出来形を測定し、発注者の意図どおりに、そして契約書の内容どおりに工事が進んでいることを確認する出来形管理は、とても大切な作業です。
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