最近、建設業界、とくに建設コンサルタントの世界で重視されはじめている資格に「RCCM」があります。
RCCMとは、一般社団法人「建設コンサルタンツ協会」が認定する民間資格で、Registered Civil Engineering Consulting Manager/シビルコンサルティングマネージャの略称です。
建設工事を遂行するためのコンサルタント業務の水準を上げていくために「技術水準の確保」「責任技術者の確保」が求められている時代背景を受けて制定されました。建設コンサルタント管理者の技術力を客観的に測る目的を持って生まれた資格です。
RCCM資格の取得によって、土木工事に関わる専門職としての知識や技術を持った「管理技術者「照査技術者」として働く能力を備えた人材として認められます。
また、設計業務の特質を理解し円滑、適正に進めるための技術管理能力と当該専門技術分野の技術力を持った人材としても評価されるでしょう。
RCCMの資格制度は1992年に創設され、1995年には「公共土木設計業務など標準委託契約約款」および同「共通仕様書」の改訂に伴ってRCCMが「管理技術者」「照査技術者」として明確に位置づけられました。また2010年度には資格制度も改定され、それ以前は条件とされていた「国土交通省に建設コンサルタント登録した企業への勤務実績」は必要なくなり、現在は任意に登録申請が行えます。
最近10年間ほど、RCCMの受験者数は毎年5,000~7,000人程度で、合格率は2012年に20%を切る大きな落ち込みもありましたが、それ以外は、20~30%台を継続し、2018年と2020年には40%を超えました。
平均すれば、3人に1人が合格している計算になります。
RCCMの試験は「河原、砂防及び海岸・海洋」「港湾及び空港」「電力土木」「道路」「鉄道」「上水道及び工業用水道」「下水道」「農業土木」「森林土木」など22の専門分野の中から1テーマを選び、その分野に関する専門知識を問われる試験内容になっています。
過去の実績を見てみると、「道路」「河川・砂防及び海岸・海洋」「鋼構造及びコンクリート」をテーマに選んで受験する人が多くなっています。一方、合格率を見ると意外にも受験者数の少ない「水産土木」「廃棄物」の分野の合格率が高くなっています。
全体でみれば、合格率は約40%。資格試験のなかでは、とくに難関とはいえません。また、試験問題には妙にひねった引っかけ問題は多くなく、過去問をきちんと当たっていけば対応できる「努力しがいのある」資格となっています。
RCCMは建設コンサルタントとしての技術を測定する資格です。この仕事は、実際の建設工事がはじまる前段階として建設技術を中心とした開発・防災・環境保護に関して、計画・調査・設計・管理業務を中心とし、官公庁・地方公共団体・民間企業などに対するコンサルタントを行っていきます。
現在の土木工事は、単なる施工主の利益や便利さだけでなく、環境保護や自然災害への対応などがきびしく問われるようになっており、その分野のプロフェッショナルであるRCCMの役割は、年々大きくなってきました。
たとえば、国土交通省に建設コンサルタントと補償コンサルタントの登録を行っている企業の場合、RCCMの専門知識によるコンサルタントの比重は着々拡大しているともいえます。
今後とも、土木工事を中心とした建設コンサルタント業務のなかで、RCCMの専門知識を持った人材の役割は拡大していくと予測されています。
一般的な知名度はあまり多くありませんが、取得しているメリットは非常に大きく、また、RCCM資格取得者を積極採用する企業の範囲は、これからも広がっていくと考えられています。
現実的にはRCCMの資格だけを持っている技術者はあまり多くはないようです。一級・二級の建築士、建築設備士、土木施工管理技士、測量士などの資格の持ち主が、仕事の幅を広げていくために取得する場合が多いようです。
たとえば、ゼネコンやサブコンで施工管理の仕事をしてきた人が、建設コンサルタントの会社に転職したいときには、大きな武器となってくるでしょう。
また、現場勤務を何年も継続してきた人材が、業務のかたわら資格を取得した実績も、企業の中途採用においては大変に重視される武器となってくるでしょう。
この点から考えてみれば、RCCMの資格取得は、転職において大変に有利といえます。
先にも述べましたが、RCCMのみの資格を取得している人は多くなく、一概に年収いくら?とはいえません。それでも多くの建設コンサルタント会社では、毎月の資格手当支給の対象としています。
RCCM資格取得者の多くは、建設コンサルタント会社では40代で月収60万円程度、50台には月収80万円を実現しているようです。
RCCM資格取得者は「管理技術者」「照査技術者」としての経験を積むなかで、建設コンサルタント会社の中でも重要な役割を果たすようになり、そのなかで、年収も着実と増えていくと考えられます。
建設業に関わる技術者が、転職先の選択範囲を広げるためにも、現在が働いている企業の中で昇進や昇給のきっかけづくりとしていくためにも、RCCM資格の取得は大いに役立つ未来への投資となるはずです。
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