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そもそも土木施工管理技士とは

土木施工管理技士はどんな仕事をするのか?

土木施工管理技士イメージ

土木施工管理技士は国土交通省が管轄 する国家資格の一つで、取得すると主任技術者や監理技術者(1級のみ)といった現場の責任者になることができます。
建設現場では、主任技術者や管理技術者の配置が義務付けられており、仕事は、河川や橋梁、道路、トンネル等の土木工事における施工計画の作成、現場の進行管理、安全や品質の管理、関係省庁との折衝など、その業務範囲は多岐にわたります。逆に言えば、土木工事現場に必ず1人は配置が義務付けられている重要な資格と言えるでしょう。

現場監督とどう違う?

現場では基本的にほぼ同じ意味を指す

よく「現場監督」と何が違うのかという疑問を持つ方がいるようです。 土木施工管理技士の仕事は「現場」だけで完結はしないなど、細かいことを言えばキリがありません。そもそも、厳密にいうと「現場監督」という資格や役職はないのです。現場のすべてを取りまとめるという意味で、「現場監督」という呼称が一般的になっているようです。 土木施工管理技士は資格の名称、現場監督は立場の呼称。つまり、基本的にはほぼ同じ意味を指していると言っていいでしょう。

土木施工管理技士になるには

国家試験で学科試験と実地試験への合格が必要

土木施工管理技士の資格を取得するためには、国土交通省の指定期間が実施する国家試験に合格しなければいけません。資格には1級と2級があり、取得条件や扱える工事などの条件が違います。 また、資格試験の範囲や受験資格などにも差があります。

どちらも、学科試験と実地試験という2つの試験に合格する必要があります。学科試験は2級は6月と10月の年2回、1級は年1回。実地試験はどちらも年1回です。

1級について

1級は上級資格なので、2級よりも出題範囲が広くて難易度は高くなります。
受験の条件として施工管理の実務経験が必要となりますが、1級の方が現場での経験年数を多く積まなければなりません。
取得が難しい分、1級を取得するとすべての土木工事現場で監理技術者になることができますので、活躍の場が増えます。

2級について

2級では、下請けで受注金額4,000万円以下の現場の主任技術者までとされています。
しかし、2級を取得すると1級の受験資格が緩和されて取得しやすくなりますので、一つずつステップアップを目指すのも一つの手です。

土木施工管理技士が取り扱える工事業にはどんなものがある?

土木工事に関する多様な工事業を担当できる

土木施工管理技士は、土木工事に関する多様な工事業の監督を担当することができます。その工事内容を下記にまとめてみました。

土木工事業

「土木工事業」とは、ダムやトンネル、橋梁、空港、道路の建設工事をはじめ、土地の区画整理や土地の造成、公道の下に設置される下水道、農業用の灌漑水道や農地の造成、林道や治山といった森林土木、さらには河川や海岸における工事などを含む、大規模な土木工事を指します。

そのため、事業の実施体制も複雑になり、元請業者が1社で施工する工事ではなく、企画や指導、管理をおこないながら、いくつかの下請業者が従事する工事になります。「土木工事業」においては、一級の「土木施工管理技士」の国家資格を有する者を営業所ごとに常勤で設置することが、法律で定められています。

とび・土工工事業

「とび・土工工事業」とは、鉄骨や足場などの組み立て工事をはじめ、解体工事業、杭打ち・杭抜きをおこなう土砂の掘削や盛上げ工事、建設資材や器具といった重量物を運搬するといった工事など、広範な工事内容を含んでいます。高所で作業をおこなう職人である「とび」が名前に入っていますが、宅地の造成や高速道路の高架橋を構築する工事なども、これにあたります。

ちなみに、いわゆる「とび職人」の仕事には、かつてより家の取り壊しなどが含まれていたこともあり、「とび・土工工事業」として一括されていることが理解されます。

石工事業

「石工事業」とは、その名の通り、石材をはじめ、コンクリートブロックや擬石を含む建材などを、加工したり、積方によって工作物を建造したり、あるいは、工作物に取り付けたりする工事のことです。石積み・石張りの工事、コンクリートブロックの積み・張り工事などが、これにあたります。

ただし、工事規模が大きい石材やコンクリートブロックを使用する工事は、工事業の区分としては、「とび・土工・コンクリート工事」に含まれることになります。エクステリアなどの設置工事であれば「石工事業」として扱われます。

塗装工事業

「塗装工事業」もまた、「土木施工管理技士」が担当できる工事のひとつになります。具体的には、住宅の外壁などにおこなわれる塗装工事をはじめ、路面標示工事、金属の素材に別の金属を吹き付けて表面加工をおこなう溶射工事、給水管の更生工事であるライニング工事、鋼構造物塗装工事など、塗料を工作物に吹き付けたり、塗り付けたり、貼り付けたりする工事が「塗装工事業」に含まれます。

「塗装工事業」には、建物や道路の外観はもちろん、塗料による建物の保護といった役割も含まれています。そのため近年では、建築物を長く使えるようにする劣化対策としても、需要が高まっている工事のひとつです。

鋼構造物工事業

「鋼構造物工事業」の代表例は、住宅や施設の「骨」の役割を果たす鉄骨の設置工事です。そのほか、橋梁や鉄塔の工事もこれに含まれます。建材として「形鋼」や「鋼板」といった鋼材を使用し、それらを加工したり、組み立てたりすることで、鋼構造物や工作物を建設する工事であれば、「鋼構造物工事業」に含まれます。

また、「鋼構造物工事業」には、石油やガスといったエネルギーを貯蔵するタンクを設置したり、屋外広告の看板などを設置したり、河川や運河の水門や閘門を設置する工事も含まれています。

舗装工事業

「舗装工事業」は、道路などの地盤面に、砂や砂利、砕石を敷き詰めたり、アスファルトやコンクリートなどによって舗装する工事のことです。「舗装工事業」もまた、「土木施工管理技士」が監督できる工事になります。

「舗装工事業」には、アスファルト舗装、コンクリート舗装、ブロック舗装をはじめ、路盤築造の工事などが含まれます。単に地面の上にアスファルトなどを施工するだけではなく、良い舗装道路をつくるためには、その下の層になる「路盤」や「路床」をしっかりと締め固め、基礎づくりをしなければなりません。

しゅんせつ工事業

あまり聴き慣れないかもしれませんが、「しゅんせつ(浚渫)」とは、港湾や運河、河川などの水の底面を浚(さら)い、土砂などを取り除く土木工事のことです。しゅんせつ工事は、船にとって安全な移動ルートを確保するためにおこなわれており、船の航路や停泊場所の水深をしっかりと確保することで、船底が水底にぶつかってしまわないようにしています。

しゅんせつ工事には、専用の作業船である「浚渫船(しゅんせつせん)」が活用され、水底にある土砂をすくいとる工事をしています。

水道施設工事業

「水道施設工事業」に含まれるのは、取水施設や浄水施設、または配水施設、下水処理設備といった水道に関する施設を設置するための工事です。より詳しくみてみれば、「上水道」や「工業用水道」といった排水、浄水、取水のための施設を建造する工事になり、家庭の蛇口に送り届けられる公共用の下水道や、河川の流域に設置される下水の処理施設などを建設する工事になります。

土木施工管理技士の将来性は?

土木施工管理技士の将来性

需要は増加し続けている

土木施工管理技士は土木工事の現場ごと、または営業所ごとに設置することが定められています。会社の規模にもよりますが、営業所の数と同時に扱う現場の数が多いほど、土木施工管理技士の人数も多くなります。

平成30年の全国の土木施工管理技士「実地試験」の合格者数は2級で11,698人、1級は9,521人とそれぞれ一万人前後ですが、それでも現場では不足していると言われています。資格を取得すれば、土木建設業界で安定して働くことができるでしょう。

現場の責任者というキャリアを経験しながら実績を積んでいけば、昇進への道もひらけてきます。特に1級は工事の規模に関わらず監理責任者になれるため、大規模な公共工事などをこなせば実績としてアピールしやすいでしょう。転職でキャリアアップを目指す方や、会社内での昇進などステップアップを目指す方は、ぜひ取得したい資格の一つです。

本サイトでは現役土木施工管理技士へのインタビュー記事を掲載しています。

現場の生の声を聞ける貴重な機会ですのでぜひこちらもご覧ください。

現役土木施工管理技士への
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監修企業の現場からひとこと&アドバイス
監修企業の現場からひとこと&アドバイス
監修者:(株)ティーネットジャパン
CS事業本部 営業推進室 付課長 原田 晋輔

 土木施工管理技士は、土木業界の中で基本的な資格の1つであり、試験勉強をすることで土木の基礎的知識を多く取得できます。
 「平日1日1時間、休暇はリフレッシュ」など、継続して学習できる自分のルールを決めると良いと思います。
 土木業界の通行手形のような資格なので、早めに取得しておくことをおすすめします。

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