ボイリングは、掘削工事の最中に掘削底面から水や土砂が湧き出すように噴き出す現象です。土木施工管理技士として、工事を安全に進めるために知っておきたいボイリングについて解説します。
ボイリングとは、掘削工事の最中に、掘削底面から地下水や土砂が湧き出してくる現象のことです。水がボコボコと沸騰するように見えることから、「Boiling(沸騰)」が語源となっています。
たとえば、土留め工事を行ったあとに掘削を進めていくと、土留め壁の外側にある地下水位よりも、掘削底面が低くなることがあります。そのとき、地面が陥没したり地下水位が下がったりすることで、地下水が土留め壁の下側をまわって内部に入り込み、掘削底面から噴き出すケースがあります。これがボイリングであり、発生すると地盤の安定が失われ、現場が崩壊するおそれもあります。
ボイリングが発生すると、工期が延びるだけでなく、現場で深刻な事故が起こるリスクも高まります。そのため、あらかじめ地下水位の調査などを十分に行い、適切な対策を講じておくことが大切です。
薬液注入工法は、ボイリング対策としてもっとも一般的に行われている工法のひとつです。この工法では、硬化時間をコントロールできる薬液を地盤に注入し、地盤を強化します。
薬液注入工法のメリットは、施工機械が小型で、設置や撤去などの作業がしやすい点にあります。また、実際にボイリングが起きてしまった場合でも、注入工法を実施することで対処が可能になり、工事を再開することができます。
薬液注入工法と並んで、ボイリング対策として使われる工法のひとつが「窯場工法(釜場工法)」です。「窯場排水工法」と呼ばれることもあります。
この工法では、穴あきドラム缶などで作った「釜場」と呼ばれる集水マスを掘削面より低い位置に設置し、周囲から流れ込んできた水をそこにためて、ポンプで排水します。
窯場工法は地下水位そのものを下げるのではなく、水位差によって流入してくる湧き水を排水する方法で、小規模な現場や、水の流入量が少ない場合に向いています。
「ディープウェル」とは「深井戸」を意味する言葉で、掘削構内や構外に設置して、地下水が流れ込んでくるのをポンプでくみ上げ、地下水位を安定させる方法です。
ディープウェル工法は、砂質地盤など浸透性の高い地盤に適しています。自由水層には「自由水ディープウェル」、被圧帯水層には「被圧水ディープウェル」が使い分けられます。
使用条件が適合すれば、ボイリング対策として利用しやすい方法の1つです。
ウェルポイント工法とは、ストレーナー付きのパイプを地盤に複数打ち込み、地上に設置したポンプで地下水をくみ上げて排出する方法です。このとき使用するストレーナーなどを「ウェルポイント」と呼びます。
ウェルポイント工法では、地下水を積極的に排出することで地下水位を下げることができ、軟弱地盤の強化にもつながります。そのため、地盤改良工法として用いられることもあります。
ただし、地上のポンプで水をくみ上げる仕組みのため、比較的浅い掘削に適している点には注意が必要です。
ボイリングに似た現象として「ヒービング」があります。土木施工管理技士にとっては、ボイリングと同様に注意して管理すべき現象です。
ボイリングが地下水の噴出であるのに対し、ヒービングは土留め壁の外側にある土が、壁の下から内部に入り込み、掘削底面を押し上げてしまう現象です。
ヒービングが起きると、背面の地盤が沈下・陥没したり、土留め壁が支えを失って倒壊するなど、重大な事故につながる可能性があります。
盤ぶくれとは、掘削底面の下に難透水層がある場合に、地下水の水圧で水が底面を押し上げ、湧き出してくる現象です。
ボイリングが土留め壁の外から地下水が回り込んでくるのに対して、盤ぶくれは掘削底面の下部にある地下水が原因となります。
大規模な現場で起こりやすい現象であり、薬液注入や水位の低下、遮水層の設置など、さまざまな対策が検討されます。
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