科学物質管理者は「事業場における化学物質の管理に係る技術的事項を管理するもの」です。令和4年5月に改正された労働安全衛生法により、科学物質管理者の選任が義務付けられました。事業者による化学物質管理が必要となり、化学物質管理者を中心として化学物質に対し自律的な管理をしなければならなくなったのです。
化学物質管理者の仕事内容は大きく分けて2つです。一つは「自社製品を提供するとき、危険性や有害性に関して情報」を伝えます。もう一つは「自社労働者の安全衛生を確保する」というものです。
危険性や有害性に関する情報伝達については、ラベル表示や安全データシートの交付が挙げられます。自社労働者の安全衛生の確保では、リスクアセンスメント関連です。リスクアセスメントの実施や結果に基づいてばく露防止措置の内容や実施、労働災害発生時の対応、記録の作成や保存や労働者への周囲などが挙げられます。
化学物質管理者の選任は義務です。リスクアセスメント対象物質の製造や譲渡や取り扱う事業場が選任対象に当てはまります。本社に1人いればいいというものではなく、本社や支社、営業所ごとに専任しなければなりません。業種や規模関係なく必要ですが、一般消費者の生活用製品だけを扱う事業場は対象外です。
「化学物質の管理に係る技術的事項を担当するために必要な能力を有すると認められる者」が要件です。「必要な能力を有すると認められるもの」は事業者の裁量に委ねられます。ただし、リスクアセスメント対象物質を製造する事業場は「専門的講習修了者か同等以上の能力を有するもの」のみです。他は資格要件不要ですが、専門的講習等の受講が推奨されています。
科 目
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時間
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講 義
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化学物質の危険性及び有害性並び に表示等
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2.5時間
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化学物質の危険性又は有害性等の 調査
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3時間
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化学物質の危険性又は有害性等の 調査の結果に基づく措置等その他 必要な記録等
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2.5時間
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化学物質を原因とする災害発生時 の対応
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0.5時間
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関係法令
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1時間
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実習
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化学物質の危険性又は有害性等の 調査及びその結果に基づく措置等
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3時間
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科 目
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時間
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講 義
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化学物質の危険性及び有害性並びに表示等
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1.5時間
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化学物質の危険性又は有害性等の調査
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2時間
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化学物質の危険性又は有害性等の 調査の結果に基づく措置等その他 必要な記録等
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1.5時間
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化学物質を原因とする災害発生時 の対応
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0.5時間
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関係法令
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0.5時間
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化学物質管理者講習では所有資格に応じた科目免除もあります。
第1種衛生管理者
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衛生工学衛生管理者
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上記全てを修了している者
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化学物質管理者のニーズは高いです。そのため将来にわたり安定しています。「リスクアセスメント対象物質を取り扱う事業者は、事業場内の労働者から選任しなければならない」とされているからです。事業者としては無視するわけにもいきません。また、講習を受けるだけで、特に試験も必要としていないので取得のハードルは低いといえるでしょう。
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