転勤は多いがメリットも多い、避けたい場合は転職前に要確認
土木建設の現場は公共事業など大規模な工事が多く、担当するプロジェクトによっては地方へ転勤となることも少なくありません。所属する会社が全国展開している場合、北海道から沖縄まで全国に転勤する可能性もあります。
どのようなプロジェクトを受注するかは誰にも分かりませんので、急に決まった仕事で急遽来月から転勤、という事例もあるようです。1ヵ所の滞在期間はプロジェクトの長さに依存するため、状況によってさまざま。1年前後の場合もあれば、数年がかりの滞在となる場合もあります。
子どもの学校の事情など、家族環境によっては、単身赴任となるケースも多いようです。
東日本大震災から復興が進む東北地方では土木工事の高い需要が続いていて、現場作業員も施工管理技士も共に不足しています。このように大きな災害などによって勤務先が左右することもあるでしょう。
一般的にはゼネコンなどの大手建設業ほど転勤が多く、地元密着で小規模な経営をしている建設会社ほど転勤は少ないようです。しかし、大手は転勤が多い分、社宅などが用意されていて、転勤による手当といった恩恵も受けることができます。
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転勤・単身赴任と聞くと悪いイメージが先行しがちですが、悪いことばかりでもありません。
土木建設ではトンネルや橋など、何もない場所に新しい構造物を造ることも多いので、自然の多い地方都市が転勤先となることもあります。都市部から転勤すると最初は戸惑うかもしれませんが、食べ物が美味しかったり、自然に触れ合えたりとメリットもあります。地元を離れて生活することで、地方の良さを再発見できることもあるでしょう。
有名な観光地を回ってみるなど、「給料をもらいながら旅をしている」という感覚で楽しむのもいいかもしれません。現地に住む会社の人間や現場作業員と毎日仕事をすることで、旅行では得られない現地の空気感を味わえるのも魅力です。地元から遠く離れた場所に、自分が関わった構造物が残るというのも、他業種の会社員では味わえない醍醐味の一つですね。
ほかにも転勤には、次のようなメリットがあります。かならずしもデメリットばかりではないことを理解し、前向きな気持ちで転勤辞令を受けたいものです。
長く勤めたオフィスや現場から別の場所に異動するということは、すなわち、自分を取り囲む大半の環境が変わるということ。ともに働く仲間の大半も入れ替わるため、新鮮な気持ちでスタートを切ることができます。転職に似た感覚になり、希望が湧いてくるかもしれません。
特に、以前の職場での人間関係に悩んでいた人にとっては、一気にストレスから解放される絶好の機会。転勤のない職場で働いていると、いつまでも人間関係のストレスから解放されることがありません。
新たな職場で、以前と同じ仕事をやろうとすると、以前とは違ってスムーズに行かないことが多々あります。その時、多くの人は気付くはずです。以前の職場では、いかに同僚や上司たちに助けられていたかということを。社会人として、組織人として成長する瞬間とも言えるでしょう。
転勤をくり返していると、仕事は自分一人でやっているのではないことを、心から痛感します。仕事はチームでやるものだということを理解できれば、きっと将来、良きマネージャーになることができるでしょう。
転勤先では、多くの人たちとの新たな出会いがあります。仕事を通じた出会いもあれば、プライベートでの出会いもあることでしょう。
人とのつながりが増えれば、それだけ人生が豊かになります。多くの価値観に触れることで、奥行きのある柔軟な人間性も養われていくことでしょう。退職後も一生付き合えるような大切な縁が、全国の各地に生まれるかもしれません。
転勤して実際にその土地に長く住んでみると、外側からは分からなかったその土地の魅力が見えてくるものです。中には、転勤がきっかけで、その土地を終の棲家とする人もいることでしょう。
実際、仙台に転勤になった人の中には、その後も転勤の可能性があるにもかかわらず、仙台市内に一戸建てを購入する人が多いと聞きます。あるいは定年退職後、仙台に家を購入して永住する人も多いそうです。
自分にとって、家族にとっての第二の故郷を見つけられる可能性があることは、転勤族ならではの醍醐味かもしれません。
会社によっては、転勤にともなって赴任手当が付くこともあります。主に、遠方や僻地などへの転勤の場合、手当を設定する会社が多いようです。
また会社によっては、寒冷地への赴任に際して寒冷地手当が付くところもあります。住宅手当が手厚くなることもしばしば。さまざまな手当が提供される可能性がある点は、転勤のメリットの一つになるかもしれません。
実際に転勤をくり返しているうちに預金が増えてきた、という人もいるようです。
転勤を何度か続けていると、一部の段ボール箱について、開けずにそのまま押し入れなどに放置している例もあるでしょう。中には、次の転勤まで一切開けずに置きっぱなしの段ボール箱もあるかもしれません。
次の転勤まで開けない段ボール箱は、基本的に、生活に不要なものしか入っていないということ。思い出のアルバム等でもない限り、そのまま廃棄してかまいません。転勤のたびに廃棄をくり返していると、だんだん身の回りがスッキリとしてきます。
以上、転勤のメリットの一部を見てみました。
転勤の辞令が出ると、目の前が真っ暗になる人もいるようです。でも施工管理技士という仕事を選んだ以上、会社によっては転勤を避けられません。メリットだけを考えて、ぜひ明るい気持ちで転勤を迎えたいものです。
このようなメリットと楽しみ方がある反面、小さな子供や要介護の家族が居るなどの事情があると転勤が難しい場合も。結婚して家を建てたばかりなのに転勤を命じられた、という方の声も少なくありません。
しかし、家族と離れ離れになる単身赴任も悪いことばかりではありません。 離れてみて初めて家族の大切さを実感することもありますし、久しぶりに帰った時の喜びも大きいようです。最近はテレビ電話など通信手段も豊富ですから、離れていてもコミュニケーションを取りやすいですね。 単身赴任手当や、帰省のための旅費が支給される会社もあります。
業務の仕組み的に地方転勤が多くなる土木建設業界。どうしても転勤が難しい方は、転職先の転勤事情をよく調べておく必要があります。辞令から転勤までのスピード、一回の転勤期間、転勤先地域の傾向など、実際の生活と照らし合わせて詳しく調べてみましょう。単身赴任と家族も連れて転勤する二パターンに対応できるかどうかなども重要なポイント。
また、入社時は独身で転勤も大丈夫だった人も、結婚して子供が生まれたら転勤はしたくなくなるものです。若いうちは転勤しながらバリバリ活躍し、子供ができたら腰を据えて働く、というのが理想ですよね。
会社によっては転勤したい、したくない、といった希望を汲んでくれるところもあります。現在の家族構成、将来の人生設計も含めて、できるだけ柔軟な対応が取れる転職先を選びましょう。
一般的に会社の規模が大きくなればなるほど、営業エリアが広くなるため、就業範囲が広くなり、単身赴任の可能性は高くなる傾向があります。また施工会社は、業務場所が固定されていない受注工事毎の職場異動となるため、単身赴任の可能性は高くなる傾向があります。単身赴任は家族と二重生活となり、精神的・金銭的にも負荷が掛かります。
ティーネットジャパン では、地域毎の顧客を増やし、就業場所の選択肢を増やすことで、単身赴任の機会を少なくしています。
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