親しみやすくかわいらしい雰囲気が特徴のアニマルガード。目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。このページでは、アニマルガードについて解説しています。単管バリケードにはない魅力をかねそなえているので人気が高く、ご当地ものなども出てきています。
アニマルガードが登場する以前から、建設現場などで使用されている単管パイプのことを、「単管バリケード」と呼びます。足場材として、あるいは現場内に車や人を入れないようにするために使用される道具です。名称のとおり、バリケードに単管がついている単純な構造をした保安用品です。
ちなみに、使用されるパイプはJIS規格で48.6mmと定められています。パイプの、はしから5センチの所にあるピンのところで、固定できるようになっています。
単管バリケードの発展形として誕生したのが、アニマルガード。パイプを支える部分が動物やキャラクターなどのデザインになっています。
アニマルガード誕生のきっかけとなったのは、旭川動物園の人気ぶりでした。安全保安用品のレンタルおよび販売をおこなっている「仙台銘板」という会社の旭川営業所が、旭山動物園が多くの観光客をあつめているのをみて、2006年にサル型のガードである「サルガード」をつくったのです。
サルガードはその後、人気が高まり、ついには全国的な広がりをみせるように。そして、アニマルガード第二弾としてカエルガードがつくられることになったのです。このような流れを経て、さまざまな種類のアニマルガードがぞくぞくと生まれ、現在のように、アニマルガードを目にする機会が増えるようになったわけです。
ご当地バリケードといわれるものも見かけるようになりました。たとえば、沖縄のご当地ものとしてはシーサー型のバリケードが挙げられます。ほかにも、人気漫画のキャラクターのバリケードなど、とにかく種類が豊富なのが特徴です。
また、こういった親しみの感じられるアニマルガードの広まりの背景には、土木・建設に対して持たれることが少なくない「3K」のイメージを改善したいというねらいもありました。そして実際、工事現場の雰囲気を和らげるほっこりするようなエピソードもきかれるようになったりするなど、建設現場でのドライバーからあがる不満の声がかつてほど頻繁ではなくなったなどの効果が出ています。
アニマルガードは、かわいらしさだけではなく、離れた距離からの視認性も向上させるため、安全面においてもプラスの影響をもたらしています。ガードの表面をやや凸凹になるように製造しているため、一定の強度をも持ち合わせているのも特徴です。
そして、素材もしっかりと考えられたものを採用しています。仮に車がアニマルガードに衝突するようなことがあった場合に、二次災害につながるリスクを抑えるため、破片があたりに飛び散らないような素材になっています。
アニマアルガードは、さまざまな動物やゆるキャラ、有名キャラクター、のりもののデザインなど、はばひろいラインナップがあるのも注目ポイントです。そして、アニマルガードを製造している「仙台銘板」では、人気のアニマルガードのストラップを商品化しています。自宅用のアニマルガードを作ってほしいという声があがっていたのですが、場所をとってしまうものなので、かわりにストラップの商品化を決めたという経緯があります。
そのころに東日本大震災が発生。そこで、仙台銘板は、アニマルガードのストラップによる売り上げをすべて復興支援のために寄付しています。アニマルガードは、本来は建設現場などで主に活躍するアイテムですが、それがストラップになり、結果的に社会貢献という形でも役立つことになったわけです。
土木・建設業界では、現場の環境改善にさまざまな方面から取り組んでいます。それに加えて、したしみが感じられるアニマルガードを使用するなど、一般市民へのイメージアップもはかるべく、対外的な取り組みにも力を入れています。
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